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…は、はぅ〜!
やっぱり、サボりっていいよね!恐怖のテストをクリアしたあたしは、早速サボりを決め込んでいる。
ちなみに屋上には仁王と珍しくブン太が居座っているので、あたしは中庭にてゴロゴロなうである。
あいつ等、うっさいし。
て言うか、昔からサボるなら中庭だったんだけどね。仁王達と関わる様になってから、やたらと屋上に行くようになっただけっていう。
「ふふふ、結果が出た途端にサボるなんてさすがだね」
「…い、いやぁ…それほどでも」
そしてさて一眠りでもしようかと目を瞑ったら、不意に聞こえた聞き慣れたら声にバッと起き上がる。
ニコリと笑った声の主は、なんの躊躇もなくあたしの隣に座るとどうしたの?と言わんばかりに頭を傾げた。
え、普通にサボってる事を怒られると思ったのに、ただ隣に座ったままなんだけど。
なんだ、どうしたんだ。
「ふふふ、別に今更サボりについて怒ったりしないよ。テストも無事にクリアしたからね」
「…さいですか。てか、よく考えたら精市がサボってる事にビックリなんだけど」
「ちょっと授業って気分じゃなくてね。だからサボっちゃった」
「…ふーん。なんかあったの?」
「ん〜なんかあった…のかな?俺にもよくわからないんだよね」
変だよね?なんて笑う精市は、なんだか元気がない。
さすがに精市とはクラスも違うし、会うのはお昼と部活くらいだから…なにかあったとしてもわからない。
一緒にいる時になにか変化があれば気付く自信はあるけど、さすがに一緒にいない時の変化はわからないし。
でも精市自身がよくわからないくらいなんだからあたしがわかる訳もないな。
「ねぇ璃亜?ちょっと手貸して」
「ん?はい」
「…ふふふ、ありがとう」
「え、マジでどうしたの?」
「…俺にもわかんないんだって。でもね、璃亜の顔見たらなんか落ち着いて来た」
「そりゃあよかったけど…具合悪いの?」
「そう見える?」
「いや、顔色はいいけど…」
なんかよくわからんが…とりあえず、具合が悪い訳じゃないならいいんだけど。
やはり、元気がないというか…影ある精市に少しだけ不安になる。やっぱりなにかあったのかなぁ。でも自分でもよくわからないって言ってる訳だし…どうにも出来ないよなぁ。
とりあえず、精市が手を握りながらあたしに軽く寄り掛かって黙っているのであたしも静かにしていた。
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