幸福をあなたに (1/4)
「「せーのっ!!」」
「・・・・・」
「・・・・・」
「よっしゃぁぁ!!」
「ちょ、いたっ…璃亜、叩くんじゃなか」
「嘘だろぃ…」
「ま、ブンちゃんご馳走さまナリ〜」
バンッと机に叩き付けたテストの結果表を見て全力のガッツポーズをした後、隣でのほほんとしてる仁王の頭を引っ叩く。
イヤァッフゥゥーー!
ブン太の総合点より遥かに上なあたしの総合点にテンションは上げ上げである。
てか、こいつ数学が赤点ギリギリなんだけど。いや、あたしも現社がヤバかったけど。
「オラ、ジュースとプリンと昼飯奢れよ!!」
「勝手に昼飯増やしてんじゃねぇよぃ!」
「それにしても今回のブンちゃんは、なかなか酷いのぅ。数学が赤点ギリギリぜよ」
「つーか!璃亜の総合点おかしいだろぃ!前回より100点以上も上がってるとかカンニングかよぃ!」
「んだと、ブッ飛ばすぞ!こっちは、知恵熱出すレベルで勉強したんだぞ!ナメんな!」
とりあえず、英語の点数が神がかってるのでリョーマくんにリョーマくんのお陰でこの点だよ!ありがとう!とメールしたら俺が教えたのに80点もいかないとか有り得ないんだけど。とか言われた…泣いた、辛い。
そして最近、クラスであたしとブン太がギャーギャー騒いでいるとあいつ等は今日も仲が良いなぁ…みたいな空気になるんだけど、なんで?
いや、別にいいけどさ。
前までは、結構女の子からの視線が痛かったけど最近はクラスからのそういった視線は感じなくなった。
「それはそうと、楠木は知恵熱の意味を間違えているぞ」
「知ってるよ!小さい子が出す熱でしょ!あたしのは、大人の知恵熱って意味だから!」
「ほぅ、知っていたのか。意外だな」
「柳くんはあたしをバカにし過ぎだと思うんだけど!おい、そこの赤髪!え?そうなの?みたいな顔してたのあたしは見てたからな!やっぱりお前、バカじゃねぇか!」
「うっせぇ!もうジュースとプリン買って来てやるから黙ってろぃ!
そして逃げる様に教室からダッシュで出て行くブン太に手を振りつつ、再度テスト結果表を見ていると柳くんにスッとそれを奪われる。
最近、早苗がいないと無駄に柳くんが絡んでくるんだけど。しかも大体が嫌味か、早苗の自慢っていうね。マジでムカつくんだけど。
そしてなんかまた嫌味を言われると思って構えているとふっと笑いながら結果表を机に置いた。
「楠木にしては頑張ったんじゃないのか。予想以上だ」
「柳くんに誉められた…だと!?仁王!ヤバい!今日、吹雪になるよ!あたし死ぬよ!」
「お前さんは、参謀をなんだと思っとるんじゃ」
「糸目データ爺さんor鬼畜魔法使い」
「ほぅ…楠木は、よほどこの間のデータを拡散してほしいとみえる」
「やめて下さい死んでしまいます。マジで社会的に死ぬから、学校来れなくなるから。そして他の人にも被害出るから!!」
ちなみにこの間のデータというのは、早苗ん家にあたしが突撃訪問した時の事である。
もうね、この人はあたしのデータを脅しにしか使ってないからね!最低だよ!!
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