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そして暫くして早苗が蒼真を連れてコートに戻って来た。案の定、蒼真がプクーッと頬を膨らませてぷんぷんしてたのでごめんね?と頭を撫でるとぎゅーってしたら許すとか言い出して笑った。
相変わらず、お前は、可愛いな!ちきしょうめ!
「それでバスケ部は、どうだったの?」
「ん〜微妙。設備はいいけど、なんか上下関係がうるさそうだし面倒臭そう」
「ちょ、そこかい。いや、まぁ…蒼真の好きにすればいいと思うけどね?」
「うん、もう少し考える。それで俺は、見学してればいいの?」
「ふふふ、もう少しで休憩だからその時に打ってみるかい?」
「いいの?てか、俺テニスした事ないんだけど。見よう見まねでいいならやってみる」
「大丈夫大丈夫。あたしが出来たんだから蒼真も出来るよ。まぁ、勝てはしないだろうけど」
「むっ…やだ!やるからには勝つ!俺、そこのモジャモジャとやりたい!」
ちょ、蒼真やめてっ!!
何人か吹き出してるから!!
赤也の事をモジャモジャとか言うのやめて!確かに、モジャモジャだけど!ひじきみたいな頭だけど!!
て言うか、絶対に名前覚えてるのにわざとモジャモジャって言ったよね?蒼真、名前とか覚えるのあたしと違って得意だし。
しかも赤也がぷるぷるしてる!絶対におこだよ!モジャモジャおこだよ!激おこだよ!
精市とブン太に至っては、普通に腹抱えて笑ってんじゃねぇか!やめてやれよ!!
「ふふふ、じゃあ赤也は相手になってあげなよ。蒼真くん、ラケットは俺が貸してあげるから」
「ぜってぇ!負かす!」
「言ってろモジャモジャ!」
「ふふふ、仲良いなぁ。蒼真くんがテニス部に入ったら楽しそうなのに」
「やめて!蒼真は、バスケ部だから!」
「ふふふ、残念」
そして赤也と蒼真がコートに入り、試合が始まる訳だが。ちなみに審判は真田くんがやってくれてます。
いや、どう考えても蒼真が負ける未来しか見えないんだけど。しかし、確かめる様に何度もグリップを握ってる蒼真の顔は真剣である。
やだ、蒼真カッコイイ。
そして蒼真からのサーブなんだけど…
「ハハッ、やっぱり姉弟だね。本当に初めてなのか疑いたくなるレベルだよ」
「まぁ、蒼真も模倣得意だからね。でもさすがに赤也には勝てないと思うよ」
「なんつーか、璃亜の上位版みたいな感じだろぃ」
「おい、誰が劣化版だ。殴るぞ」
「そこまで言ってねぇだろぃ!」
まぁ、蒼真も普通に運動神経いいし。あたしと同じで模倣が得意だから…ある程度は打てるんだけど。
どうあがいても初心者は、初心者だからね。
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