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とりあえず、ごめんねとプクーッと頬を膨らませている蒼真の頭を撫でると璃亜だから許す〜!なんて言いながら飛び付いてくる。
我が弟は、やはり可愛いな。
「あ、そうだ!母さんと玲緒兄に立海受けるなら見学して来なさいって言われたんだよね」
「は?え、蒼真…立海来るの?」
「ん〜璃亜と早苗ちゃんがいるからどうしようかなぁって!他の学校からスカウトいっぱい来てるんだけどね」
「へぇ、スカウトって事は何か部活に入ってるのかい?」
「うん、バスケ。璃亜がやってるの見てからずっとやってる」
「ほぅ…バスケか。楠木の弟となればさぞ上手いんだろうな」
「そんなの当たり前じゃん。ま、璃亜には負けるけどね」
いや、スカウト来てるから普通にそっちの学校に行った方がいいんじゃないだろうか。
正直、蒼真が通っている地元の中学は強豪校とは程遠いし。強くなりたいなら、ちゃんとした学校に行った方がいい。
ちなみにあたしは、早苗に合わせて立海に来たから別に強さとか関係なかったっていう。まぁ、結局は病気でバスケ辞めちゃったけどね。
蒼真は、ずっとあたしの為にバスケを辞めるって言ってたんだけど、そんなのあたしが許す訳もなく今じゃ結構有名な選手になった。
ちなみにあたしがバスケを出来ない分、俺がバスケを楽しむからとずっとバスケを続けている。やっぱり、蒼真は可愛い。ホントにいい弟である。
「秋田とか京都からもスカウト来てるんだけど、遠いから断った。残ってるのは関東の3校くらいかな」
「うむ、京都となると超強豪校として有名だな。さすがの俺達でも噂は聞いている」
「だから嫌なの。超強豪校とか勝つのが当たり前だし?なら俺は、その京都を倒す側になりたい」
「ふふふ、そういうところ璃亜にそっくりだね。蒼真くんは、挑戦者として挑みたい訳だ」
「そうだよ。だから、他の3校から選ぼうかなって」
あたしはスカウト受けたの小学校の頃だしな。まぁ、スカウト全部蹴ったから覚えてないけど。ちなみに蒼真は、中学は友達と離れたくないって地元の中学にそのまま入学したから余計にスカウトが多いんだろうな。
しかも蒼真の話を聞くとまさかの立海と青学と氷帝からスカウトが来たらしい。なにそれ恐ろしい。
悪い事は言わないから、京都か秋田にしなさい。その3校に行くとなると姉ちゃんは心配だ。とても心配だ!!特に氷帝はダメだ。絶対に反対するぞ!
「蒼真…今からでも遅くはない。京都が嫌なら秋田にするんや。その3校はダメだ」
「え、なんで?氷帝は見学しに行ったけど施設凄くてよさげだったよ?なんか生徒会長がウザかったけど」
「生徒会長って事は、もう跡部に会っちゃったのか」
「…マジかよ」
「あの喧しくてウザい会長、璃亜の知り合いなの?」
とりあえず、あたしの弟ってバレてなさそうだから大丈夫かな?バレたらヤバそうだけど。
ちなみに青学も見学したらしいけど、別にかなり普通だったとか言っててめちゃくちゃ失礼である。
いや、氷帝の後に見学し行ったのが悪い。
(立海はこれから見学なんだよね)
(へぇ、なら見学し終わったらテニス部の見学でもどう?)
(精市、やめて!蒼真はバスケ一筋だから!)
(テニスって楽しいの?)
(おう!楽しいぜ!やった事ねぇの?)
(バスケしか興味なかったし)
(そこも璃亜先輩と同じかよ!)
(ふふふ、まぁ気が向いたら見においで)
(璃亜がいるなら行く)
(姉ちゃん、テニス部のマネージャーや)
(あ、そうだっけ。なら見に行く)
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