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なんか仁王がなんて事を言うじゃ…とかあたしを抱き締めたまま呟いてるのでどうやら事実らしい。
「つまり、気を失わせてから何かをする予定だった訳だ。もちろん、それを阻止したのは楠木お前だ」
「い、いや…でもさ?待ってから突撃しても間に合ったんじゃ?」
「仮にお前が俺等を待ってから一緒に突撃していれば、気を失っている仁王を盾にされていただろうな」
「て言うか、あいつ等は仁王に何しようとしてた訳?精市も仁王も詳しく教えてくれなかったんだけど」
「あいつ等は、仁王に…」
柳くんが険しい顔をして話してるのはわかったんだけど、何故か仁王に耳を塞がれて聞き取れなかった。
必死に仁王の手を退けようとするが全く動かない。なんか、柳くんと仁王が話してるのはわかるけど…なになになんなの?そんなにあたしが聞いちゃマズイ事をされ掛けてたって事?
てか、早苗も困った様な顔をしてるだけであたしを助ける気はないらしい。つまり、早苗も知ってるのか。
そしてやっと仁王があたしの耳を塞いでいた手を退けた。
「…まぁ、あたしには言えない様な事をされる予定だったって事はわかった」
「まぁ、そういう事だ。悪いが仁王が鬼の形相で睨んでるんで、俺の口からは言えない」
「参謀なんて嫌いじゃ」
「まぁ、楠木が単独で突っ込んだお陰でその事態は免れたのは事実だ。確かに、打撲は増えただろうが」
「参謀…怒るぜよ」
「いや、打撲増やしたのは事実だし。だから、あたしは強くならなきゃっ…ぐへ!」
「今は、やめときんしゃい。怪我が治ってからでもいいじゃろ」
とりあえず、なんか仁王が柳くんに怒ってるのはわかった。
そしてあたしの単独突撃が無駄じゃなかったのがわかっただけで、あたしは満足です。仁王の怪我増やしただけだったら本当にまた自分で自分を殴るところだったよ、いやマジで。
後、急に立ち上がろうとしたあたしも悪いのかもしれないけど仁王に結構強めに抱き締められてちょっと痛かったんですが。
て言うか、さっきから暴れまくってる精市がヤバい。あたしもあそこに混ざりたいんだけど。
「ふふ、璃亜?」
「ん、なにさ?」
「仁王くんに抱っこされて随分と大人しいわね」
「羽川、余計な事言うんじゃなか!」
「っ…離せ!!」
「ふふ、仁王くんは怪我人なんだか暴れたらダメなんじゃないかしら?」
「………っ!?」
「ふっ、早苗も悪いヤツだな」
「蓮二には負けるわよ」
もうやだ、このバカップル。
そして仁王は、マジであたしを離せよ。
なに猫みたいにスリスリしてんだ。あたしが暴れないってわかってるからって調子乗ってんじゃねぇぞ。
てか、稽古がただの喧嘩みたいになってるんですが…精市暴れ過ぎだろ。
(ねぇねぇ、一番喧嘩慣れしてるのって…)
(うむ、喧嘩なら赤也だな)
(あ、そうなんだ)
(腕っぷしなら精市がダントツだぞ)
(で、ですよねー!!)
(弦一郎もなかなかだが、精市には及ばない)
(精市マジでなんなの…やべぇな)
(精市と仁王がスバ抜けて凶暴だ)
(マジかよ…仁王もやべぇな。暴れたらあたし殺される?)
(ふっ、かもしれんな)
(参謀、嘘を教えるんはやめんしゃい)
(強ち間違ってないだろ?ちなみに丸井もキレると赤也並に手が付けられない)
(…テニス部マジでやべぇな。恐ろしい)
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