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(3/4)


て言うか、あたしは早苗に話しに来たのになんで柳くんと話してるんだし!しかも話の内容がちゅーについてってどういう事なの!

色々とおかしいだろ!

とか思ってたら、あたしのスマホが喧しく鳴り始める。画面を見れば仁王からの着信である。



「なんか仁王から電話来たんだけど、柳くんなんか言った?」

「さっきからノートは出していたがスマホは出していないぞ」

「確かに」

「電話に出るならベランダ使っていいわよ」

「おん、ちょい待ってて」



別に聞かれて困る様な内容ではないだろうけど、さすがに2人の前で電話に出るのは失礼かな?と思い、早苗に言われた通りベランダを借りる事にした。

まぁ、2人の時間を邪魔をしてる時点でかなり今更な気もするけどな!



*****


璃亜が仁王くんからの電話に出る為にベランダに出ると、蓮二がふぅ…と溜め息を吐きながらゆっくりと私を見つめた。



「うむ、これは想像以上に酷いな」

「…根本的にあの子、普通の子と考え方とか感じ方が違うから。嫌だったら多分、泣いてると思うし」

「しかし、あの調子だと誰にでも体を許しそうだぞ。というより、楠木は押しに弱いだろう。無理矢理とまではいかなくてもいつか流されて…なんて事になりそうだ」

「…否定出来ないのが怖いわ。でも私も男の人と2人になる時は、気を付ける様にとは言ってるし…なるべく避ける様にって言っていたのだけれど」

「うむ、俺達と関わる様になって一気にそういった場面が増えたのも原因か」



昔から璃亜は、自分の事に疎かった。それが恋愛だけじゃないのもかなり問題だけれど…いつも璃亜は、自分じゃなく他人を見ていた。

だから、自分が他人にどう思われてるとかそんなのは気にも止めないし、気付きもしない。

真っ直ぐでバカ正直。

でも璃亜は、元から警戒心は高い。しかし、その分警戒心が解かれてしまうと信用しきってしまって…今みたいな状況になってしまう。



「それでも私は、璃亜の好きな様にさせてあげたいのよ。璃亜が傷付くのも泣くのも見たくないのだけれど…」

「ふっ、早苗もなかなかひねくれているからな。それに楠木の様なタイプは言ったところで理解しないだろうからな」

「璃亜には、ちゃんと自分で好きっていう気持ちに気付いて欲しいの」

「ふっ、なかなか前途多難だな」

「さすがに無理矢理襲ったりした人がいたら絶対に許さないけど…私も璃亜と同じでみんなを信用し過ぎなのかしら…」

「さすがに絶対に大丈夫だとは言い切れないが、楠木が笑ってる内は大丈夫だろう」



だから、早苗の好きな様に見守ればいいと私の頭を撫でる蓮二に少しだけ笑みを返す。

私は、みんなに囲まれてバカみたいに騒いでる璃亜が好きだから…そうね、もう少しだけ見守る事にする。


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