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…本当にこの人、ズルいんだけど。
そんな顔されたらなにも出来ないんだけど。
でもなんかこのまま離すのも癪だから軽く璃亜さんのオデコにキスをすれば、パチクリと目を見開いたかと思ったらワナワナ震え出して凄い勢いでオデコ押さえてなんか騒ぎ出した。
「な、なにをするんだ!!リョーマくん!ここ日本だから!ジャパニーズ!!」
「知ってるけど」
「なにこの子!怖い!」
「て言うか、今のは璃亜さんが悪いから」
「いや、あたしなにもしてないよね!?」
「なにもしてないからだよ」
「もはや、意味がわからないよ!」
だって、嫌がらない璃亜さんが悪いし。
嫌ならもっと嫌がればいいのに、ただ顔赤くしてあたふたしてるだけなのが悪い。
まぁ、嫌がられたらそれはそれで俺がショックなんだけどね。でも嫌がられる覚悟は一応あったんだけど、嫌がられなかったよね。
いや、切原さんとか芥川さんに抱き付かれても嫌がらないくらいだし…まぁ嫌がられる可能性は低かったけどさ。
「ねぇ、璃亜さんって立海の誰かと付き合ってるの?」
「本当に意味がわからないよ!普通に付き合ってないし!」
「ふーん、好きな人は?」
「いないよ!」
「気になる人も?」
「いないよ!てか、いきなりなんなの!?」
「じゃあ、今まで誰かと付き合った事ないの?」
「この子、あたしの話を聞いてくれない!付き合った事もないよ!悪いか!」
「フッ、別にいいんじゃない?」
「は、鼻で笑った!絶対、バカにしてる!」
別にバカにはしてないけどね。
て言うか、こんな反応する人が今まで誰かと付き合った事があるとか思わないし。
ただ確認しただけ。
それにしても、立海の人達も報われないね。ま、俺からしたら好都合でしかないけど。
でもこの人、本当に鈍いとかを通り越してもはや尊敬の域に達してるよね。ま、そこもなんだかんだで可愛いとか思ってる俺も俺だけど。
その後は、璃亜さんについて色々聞いた。時折、えー?なんていいながらも、質問に答えてくれる璃亜さんは本当に甘いと思う。
それで明日は、学校だからって事で早めに璃亜さんを駅まで送った。
まだ帰したくないと思ったけど、こんな怪我してるのに会いに来てくれたから我慢した。
「ねぇ、また来てくれる?」
「うん、時間が合えばね!それにカルピンにも会いたいし!」
「…俺よりカルピンな訳?」
「そうは言ってない。次は、手土産持ってくるから!」
「それはどうでもいいよ」
「いや、よくないから!じゃあまたね!父上にもよろしく言っといて!」
そう言って、手を振りながら改札口に向かって行く璃亜さんの腕を掴んで引き寄せてキスをした。
ゆっくりと目を開けると、目を見開きポカンとしてる璃亜さんがいた。
「次は、頬じゃ済まないって言ったよね?」
「なっ…え、ちょ…」
「ま、ご褒美って事にしといて。じゃあまたね」
「…………っ!?」
そして顔を真っ赤にさせて口許を押さえてる璃亜さんに手を振って、駅から出た。
ま、次会った時には忘れてそうだけど、俺は満足したからいいや。
※リョーマ帰宅後
(おぉ、少年!璃亜ちゃんは帰ったのか!)
(明日、学校だからね)
(それにしても、お前も隅に置けないねぇ)
(別に)
(でも彼女ではないんだろ?)
(…うるさいんだけど)
(あのタイプは大変だぞ〜!)
(そんなのわかってるし)
(ハッハッハッ、あの子モテるだろ)
(…厄介な連中にばっかりにね)
(いいねぇ少年!青春だねぇ!)
(全然よくないんだけど)
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