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俺の言葉にうっすらと顔を赤らめている璃亜さんは、恥ずかしそうに顔を反らすとまたカルピンとじゃれ始める。

遠回しに言ってもこの人には伝わらないから、素直に言ったんだけど反応が可愛過ぎ。



「ねぇ、さっきからカルピンばっかりズルいんだけど」

「え、ちょ…リョーマくん?」

「なに」

「え、急にどうしたの?」

「カルピンが可愛いのはわかるけど、俺がいるのも忘れないでよね」

「いや、忘れてはないけどっ…!リョーマくん、近い近いっ!」



璃亜さんにくっついてたいだけって言ったのは嘘じゃない。だけど、カルピンばっかり構ってるのはどうなの?

怪我してるからそんなに強引な事は出来ないけど、軽く璃亜さんの腕を引いて顔を覗き込むとまた顔を赤くする。

ホント…この人、隙しかない。合宿の時、頬にキスしたのは反応が見たかったのと忠告を込めてのものだった。なのに全く忠告の意味がない。

打ち上げの時とか亜久津さんが邪魔しなかったら普通にキス出来ただろうしね。



「ねぇ、なんで目反らすの?」

「リョ、リョーマくんの目力がヤバいからだよ!」

「ねぇ、こっち見て欲しいんだけど」

「小悪魔か!」

「まぁ、なら無理矢理こっち向いて貰うからいいけどね」

「か、顔近い!リョーマくん、たんまたんま!!」

「顔真っ赤だけど」



カルピンが膝に乗ってるせいでまともに璃亜さんが動けない事を良いことに、璃亜さんの顔を包むようにしてこっちを向かせると顔真っ赤にさせて目を見開くと、必死に離してと言わんばかりに俺の腕を掴む。

…なんだろう。物凄くいじめたくなるんだけど。

もっと困らせたい。

なんかムカつくけど、財前さんの気持ちがわかった気がした。



「ねぇ、なんで目瞑るの?」

「は、恥ずかしいんです!やめて下さい!」

「でも目瞑ってるなら、なにされても文句言えないよね?」

「なにをするつもりなんだ!!」

「さぁ?あ、カルピンが空気読んでくれたみたい」

「カ、カルピーーン!!」

「ホアラ〜」



さっすが、カルピン。

璃亜さんの膝の上で丸まってたカルピンがなにかを感じたのかスタスタと窓から出て行った。

そして目の前には、軽くテンパり気味の璃亜さんが俺を見上げていた。

うわ、この人に見上げられるの初めてかも。

悔しいけど俺は、璃亜さんより身長が高くないからいつも俺が少し見上げる形だったからなんか破壊力が凄いんだけど。


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