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寝ていろと言われたがさすがに跡部くんには、お礼を言わなきゃならない。それに謝罪もね。

とりあえず、なに考えてんだかわからない仁王は放っておいてベッドから立ち上がると何故か腕を掴まれる。



「これ、どこに行くんじゃ。それに話は終わっとらんぜよ」

「えー、なんか話してたっけ?」

「だからなんで俺だとわかったんじゃ?お前さんのせいで跡部達にもバレたぜよ」

「え、あぁ〜…なんて言うか匂い?あんたの香水の匂いなんか印象的だったんだよね」

「クククッ…匂いねぇ。まさかそんな理由でバレるとは思わなかったぜよ」



何が面白いだよ。と思いつつ自分で匂いで判断してるってどうなんだろうと思ってたり。

いや、でもさ?ジャージ借りた時の事件がインパクト有りすぎたし…印象に残るのは仕方ないじゃん?



「うわっ!?」

「でもおかしいのぅ。真田になるからって香水は付けなかったんじゃが」

「ギャー!セクハラ!」

「これ、暴れなさんな。まだ香水の匂いするか?」

「するつっーの!いいから放せって!」



何故かいきなり掴まれていた腕を引かれてのまま仁王の胸に飛び込んだ。

しかもそのままあたしの頭を押さえるようにぎゅーと抱き締めるしで苦しいし、うざいしで全力で胸を押すとゆっくりと力を緩めてくれた。

いや、緩めるんじゃなくて放せよ!と思いながらゆっくりと顔を上げると何故か仁王が満足気な顔をしててイラッと来たから腹に頭突きしてやった。



「ぐっ…これ、何をするんじゃ。暴力はよくないぜよ。」

「うっせ!お前こそ何すんじゃ!」

「ただ鼻が効くんじゃなぁと思っただけじゃ」

「なら言えばいいだろ!」

「このくらいで騒ぎなさんな。璃亜チャンは恥ずかしがり屋さんじゃなぁ」



くっ…!な、なんなのこいつ!?あたしをからかってんのか?とりあえず、ニヤニヤとしている仁王をぶん殴りたいのを我慢して部屋から出ようとスタスタとドアに向かうと急にドアが開いて咄嗟に構える。

いや、さすがに飛び掛かりはしないけどなんか仁王のせいで警戒心が…ね?



「あぁん?起きてるじゃねぇか。仁王、テメェ報告しに来いっつっただろ」

「今、行こうとしてたところぜよ。なのに璃亜が自分で行くって言い出しての」

「うん、顔色はいいね。どう?体調は?まぁ、その構えを見る限り元気みたいだけど…ふふふ」

「あ、幸村くんに跡部くん」



現れたのは、幸村くんと跡部くんだった。何やらいつの間にか仁王が背後にいるのが怖いが、何やら跡部くんに付いてこいと言われたので素直に付いていくことにした。

幸村くんもいるしね。


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