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それで、暫く璃亜さんとカルピンがじゃれてる様子を見てたんだけど、カルピンがこっち向いて鳴いたせいで気付かれた。
俺に気付いた璃亜さんが居たなら声描けてよ!とか顔真っ赤にさせて言って来たから思わず笑う。あんな、夢中になってたクセによく言うよね。
「気付かなかった璃亜さんが悪いんじゃない?」
「余りにもカルピンが可愛過ぎて…」
「カルピンにはしゃいでる璃亜さんも可愛かったけどね」
「なんか恥ずかしいからやめて!」
「まぁ、それで…その腕どうしたの?なんか普通に重傷に見えるんだけど」
「えーと、まぁ色々だよ!夏休み気分が抜けなくてはしゃいじゃって!」
「…ふーん、俺には言えない事なんだ?」
「いや、マジで大した事じゃないんだよ。むしろ、なんか話すのも恥ずかしいレベルなんだって」
なかなか話してくれない璃亜さんに再度、教えてくれないの?って聞けばなんだかんだで、話してくれる璃亜さんは本当に甘い。
て言うか、割れた窓ガラスに腕突っ込むとか普通しないよね?いくらなんでも、無茶し過ぎだと思うんだけど。
…あ、でも合宿でもかなり無茶してたからなぁ。璃亜さんには、普通が通用しないんだった。
「ふーん、じゃあ当分はテニス出来ないね。息抜きで一緒に打とうと思ってたのに」
「ハッ!確かに!泣いた」
「…気付くの遅過ぎ。て言うか、よく見たら指も傷だらけじゃん」
「まぁ、あたしの事はいいから勉強しようぜ!英語お願いします!」
「本当に英語出来ないの?」
「うん、自慢じゃないけど前回のテスト18点だからね」
「…本当に自慢じゃないし。じゃあ教科書見せて」
そういえば、元は璃亜さんに英語教えるって話だったのを忘れてた。てか、普通に18点って赤点じゃないの?しかも結構、深刻な点数なんだけど。
はい!と璃亜さんから教科書を受け取りパラパラと軽く目を通す。
ふーん、やっぱり大した事ないね。相変わらず、日本の英語は変に細かいけどこんなの全然余裕で出来る。
でもまぁ…ちょっと面白い事思い付いたし、いいや。
「どう?わかる?」
「こんなの余裕ッス。てか、璃亜さんがバカ過ぎなんじゃない?まぁ、例え入れつつ教えるから」
「はい、リョーマ先生!」
「…なんかムカつくからやめてくれる?てか、この教科書まともに開いた後ないし、授業ちゃんと聞いてないでしょ」
「どんな観察眼だよ!でもその通りだよ!」
「璃亜さん、英語の授業中はずっと寝てそう」
「いや、英語は大体サボってるから」
「それもっと酷いよね」
テストの点さえ良ければ出席日数はどうにかなるから!とか言ってるけど、そのテストの点が絶望的なんだけど。
まぁ、璃亜さんには合宿でも世話になったし…英語教えるくらい全然いいんだけどね。
むしろ、わざわざ会いに来てくれたし。
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