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とりあえず、仁王を責める気はない訳だ。それにこの怪我に関しては完全にあたしの独断でやった結果だしね。
むしろ、誰のせいでもない。強いて言えばあたし自身の責任だし。
「まぁ、あたしは気にしてないから。それに仁王の方が重傷(打撲)で動けないんだから」
「お前さんは…本当に、ズレとるのぅ」
「でも窓ガラス割った時は、部活禁止どころか退学を覚悟したよね」
「…普通はそんな事せん」
「そんだけ焦ってたんです。だって見付けたと思ったら床に伏せてるし」
「アレは、少し意識が飛んで倒れただけじゃ」
いや、だからその少し意識飛んだとか恐ろしいんだけど。しかも"だけ"じゃねぇから。
あたし、割りとマジで心配してたんだけど。頭とか殴られ過ぎて倒れてんのかと思ったし。いや、どっちにしろ倒れてたけどさ。
それにしても人が倒れてるのを見るってかなり心臓に悪いよね。しかもそれが見知った人なら余計に。
「て言うか、いつ目覚ましたの?なんか、あたしが助けに行ったのに助けられてるっていうね」
「あん時は、意識はハッキリしとらんかったんじゃが、璃亜がおるんがわかったんであぁなったぜよ」
「いや…確かに助かったけど、なんですぐに離してくんなかったの?そして今も離そうぜ」
「いや、璃亜が2人沈めとるの知らんかったし。さすがに璃亜守りながら4人相手は無理じゃろ」
「あぁ、そっか。そして今更だけど背中とか本当に大丈夫なの?」
何故か、抱き締めてる事をスルーされたがまぁ…いいや。
て言うか、そんな極限状態だったのか。確かに、辛そうな顔してたしね。あぁ…あたしがもう少し強ければ、無理させずに済んだのに。
真田パパにまた稽古つけて貰って精進しなければ。それと体力だよなぁ。
とりあえず、大丈夫なのかと顔を上げると頭を撫でられた。いや、あたしは大丈夫なのかを聞いとるんだ!
「俺は、璃亜が無事なら大丈夫ぜよ」
「いや、そうじゃなくてだな」
「まぁ、璃亜よりはマシじゃ。それにまた傷痕残ったらどうするつもりなんじゃ」
「いや、別に傷痕とか気にしっ…ん!?ちょっと待って、またってなに?」
「左肩、傷痕残っとるじゃろ。隠し方が雑過ぎぜよ。気付いとらんの赤也くらいじゃぞ」
……え、マジで?
どうやら、ちょいちょい傷痕が見えてたらしく…普通に知ってたらしい。今までのあたしの努力は一体なんだったんだろうか。
てか、なんかそれはそれであたしが恥ずかしいんだけど。必死にバレない様にしてたのに、既にみんな知ってたとか。
なにそれ辛い。
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