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そして何やら、赤也と真田くんが完全に相手を黙らせたらしく精市が鈴木くんになにか言ってるのが聞こえる。
て言うか、あたしも言いたい事はあるんだけど。
でもどうにもこうにも、柳生くんと早苗が動く事を許してくれそうにない。
そして一通り話を聞き終わったのか柳くんが精市の方に向かって行ったので仁王の方を見るとちょいちょいと手招きをされた。
「…仁王!大丈夫!?」
「こら、璃亜!ちゃんと押さえときなさいよ!」
「もう大丈夫だから!」
「…いや、お前さんこそ大丈夫か?また随分と無茶しよって…血塗れっ…!」
「…あたしより仁王の方が心配だよ!本当に大丈夫なの?ずっと起きなかったし…なにされたの?」
「…大丈夫じゃ。ちぃとばかし、意識飛ばされただけぜよ」
いや、それ全然大丈夫じゃないけど!て言うか、マジでボロボロなんだけど…なんか頬とかも殴られたのか赤くなってるし。
軽く赤くなっている仁王の頬に触れるといきなり抱き締められて、変な声が出た。
でもよかったナリと小さく呟いてる仁王にそれあたしのセリフなんだけど言うと、返事はなかったがぎゅっと力を入れられた。
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そして結果的に問題にされたくなかったら今後一切関わらないと言う事で話がまとまったらしい。
ちなみに窓ガラスを割った事や野球部の部室のドアを破壊したのも全部鈴木くん達がやった事にした様です。
正直、あたしも鈴木くんに言いたい事があるんだけど?と訴えたが精市にあんなヤツと話すと璃亜が腐るとかで許してもらえなかった。
「とりあえず、仁王と璃亜は病院行くよ」
「いや、あたしは大丈夫だかっ…」
「割れた窓ガラスに腕を突っ込んで、何が大丈夫なのか教えて欲しいんだけど」
「俺も打撲くらいじゃき」
「…ふーん、2人が気が付いたら病院っていうのをお望みなら、俺はそれでも全然構わないよ?」
「…行きます」
「…行くナリ」
…精市の目が怖い。
い、いや…仁王は病院行った方がいいと思うけどさ。あたしは、ちょっと腕を切っただけだからね?
もう血は止まったし、そんなに大した事ないと思うんだけどなぁ。
まぁ、ちょっと血流し過ぎたせいでクラクラするけど…他に特になにもないし。
「璃亜先輩…また怪我っ…」
「いや、なんで赤也が泣きそうになってんだよ」
「お、俺が…話さなければ」
「そしたら仁王がヤバかっただろ。てか、あたしが自分でやったんだから気にすんなよ」
「だからって…なんで連絡しなかったんスか!」
「しようとしたんだけど、それどころじゃなかったんだよ。まぁ、一応?無事だったんだからそんな顔をすんな」
そう言いながら、早苗と柳生くんに手当てして貰った包帯ぐるぐる巻きの手で赤也の頭を撫でようとしたが…
痛みで腕が上がらなかった。
これは、酷い。
もう素直に病院行きます。
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