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赤也に連絡しとけばよかったと後悔しつつ、必死に抵抗するがさすがに男に押さえ付けられたらどうにもならない。

結果的に2人は床に伏せてるが体力と腕の痛みで捌ききれず、捕まってしまった。

キッとあたしの腕を掴んでるヤツを睨むが鼻で笑われた。

うわぁ、殺してぇ…

とか思いつつ、抵抗するのはやめない。必死に腕を動かしたりするが、急に腰を掴まれたと思ったら床に尻餅をついて転んだ。



「…っ、暴れるんじゃなか」

「に、におっ…ちょ、なにして」

「…引き摺り出されたらもう助けられん。大人しくしちょれ」

「なに言ってっ…」

「おい、テメェ!離せ!カッコ付けてんじゃねぇ!」

「ちょ、やめてよ!仁王、離してっ!」



あたしの腰を掴み覆い被さる様にして壁と挟んだのは、険しい表情をした仁王だった。

しかし、そんな仁王に男が容赦なく蹴りを入れる。必死に痛みに耐えながらあたしを出さない様にしてる仁王にあたしを離すように訴えるが返事はない。

っ…なんで、あたしが助けに来たのに助けられてんだし。

そして遂にあたしの腕が掴まれて引き摺り出され掛けた瞬間、凄い音と共に部室のドアが吹き飛んだ。



「…いいよ、赤也。今日は、許可する。真田もさっさと黙らせて来て」

「……潰すっ!」

「うむ、貴様等がした事を後悔させてくれる!」



そして現れたのは、精市と赤也と真田くんだった。しかも赤也と真田くんは問答無用と言わんばかりに飛び掛かっていったけど…大丈夫なの?

そ、それより…!

精市達が来たのがわかったのかあたしを守る様に覆い被さっていた仁王が力なくあたしに倒れて来て必死に受け止める。



「…仁王っ!だ、大丈夫!?って、血…!?ちょ、えっ…」

「……ん、」

「えっ…ど、どうしっ…あっ、えっ…」

「…っ、大丈夫じゃ」

「うっ…ごめっ…あたし」

「泣くんじゃなか」



表情は、見えないがグッタリとしたままの仁王がゆっくりとあたしの頭を撫でると安心したのかなんなのか涙が出て来た。

そして暫くして、早苗や柳生くん達が来て仁王をゆっくりとあたしから退けてくれた。

その瞬間、みんながあたしを見て声を荒げた。



「楠木さんその腕はっ!!な、なんて事をっ…て、手当てをっ!」

「…割れた窓ガラスに腕を突っ込んだのか…さすがにやり過ぎだ。早苗、止血だ」

「わかってるわ!璃亜、腕出しなさい!」

「仁王、意識はあるか?」

「…おぉ、なんとかのぅ」

「頭を殴られたのか?」

「…殴られたが、その前に変な薬嗅がされたんが効いとる」



どうやら、あたしの右腕はかなり酷い事になっているようだ。柳生くんと早苗が顔を青くさながら必死にあたしの右腕を押さえている。

でも不思議と痛みはなくて、むしろ座って壁に寄り掛かって柳くんと話している仁王に安心してまた泣けてくる。

顔色悪いし、あたしの血でなんか凄い事になってるけど…一応、無事みたいでよかった。


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