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赤也の話は、正直支離滅裂で理解に苦しんだけど…
あたしのせいで仁王が鈴木くんに呼び出されたってのは、わかった。
そしてあたしの知らないところで仁王達が鈴木くんに嫌がらせをされていた事を知った。
しかもそれに怒った赤也が鈴木くんに文句を言いに行ったらしいんだけど、お前もウザいと階段から突き落とされたらしい。
でも一緒にいた仁王が庇ったらしく赤也は怪我をしなかったが代わりに仁王が右腕を痛めたらしい。
…だからあたしを避けてたのか。
とりあえず、赤也に色々と言いたい事はあったが…今は仁王を探すのが先だ。
どうやら、柳生くんも仁王を探してるみたいだけど赤也に連絡が来ないって事は見付かってないんだろう。
「精市達にも状況説明して来い。あんたの話し聞く限り、あたしを1人にしない様にしてたんでしょ。ならまだ下駄箱にいると思うし」
「で、でも璃亜先輩は?」
「このまま探す」
「…1人じゃダメッスよ!璃亜先輩も危ないんスから!」
「時間無駄に出来ない、行け」
「……わかったッス」
あたしの言葉に渋々、頷くと赤也が下駄箱の方へ走って行く。それを確認して、あたし中庭を通って校庭に向かう。
靴に履き替える余裕はない。
多分、仁王は校舎にはいない。普通にずっとバレない様に嫌がらせをしていた人が見付かりやすい校舎に仁王を呼び出すとは思えない。
…となると、答えは1つ。
鈴木くんが入れて、あたし達が入れない場所…つまり部室だ。
野球部の部室は少し離れたところにあるし、間違いないと思う。それに仁王は、女関係で3年の先輩達からも恨まれてるだろうし…協力的な先輩がいてもおかしくないからね。
あぁ、もうっ…息切れがヤバい。
そして必死に走ってやっと野球部の部室に着いて、赤也にあたしが野球部の部室にいるとスマホを取り出して連絡をしようとしたら部室の中から物凄い物音がして、すぐにドアに手を掛けた。
が、開かない。
鍵が掛かってるとは思ったけど、さすがのあたしでもこのドアを蹴破る力はない。
すぐに窓の方に周り中を覗くと案の定、見慣れた銀髪が見えた。しかし、その銀髪は床に伏せられていて顔は見えない。
あぁ…もう、本当に…
みんな部活禁止になったらごめんね。
そしてあたしは、近くにあったバッドを握って窓に向かって叩き付けた。
むしろ、退学になったりして。
(ゆ、幸村部長!!)
(あれ、赤也?なんでいるの?)
(に、仁王先輩が鈴木に!)
(は?ちょっと待って鈴木?)
(璃亜先輩と柳生先輩が探してて!)
(赤也、落ち着け。まるで話がわからない)
(真田、柳生に電話して)
(うむ、了解した)
(鈴木に呼び出されてっ…仁王先輩が)
(お前、それ…ずっと黙ってたの?)
(仁王先輩に言うなって…言われて)
(…璃亜は、仁王くんを?)
(…ウス、探してるッス)
(それはマズイな。楠木は何をしでかすかわからない)
(一応、丸井とジャッカルにも連絡しといて)
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