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それにしても、本当に璃亜は厄介なヤツに好かれるのぅ。
そして暫くして雨音と佐々木が屋上に来て、軽く事情を話すと雨音があぁやっぱりねみたいな顔をした。
「鈴木ねぇ。あいつ、中学の時に俺と那由に嫌がらせしてたくらい璃亜に執着してるからねぇ」
「そんで康がブチキレて嫌がらせとはなくなったんだけど、まだ璃亜の事諦めてなかったのかよ」
「璃亜に告られたって言われた時に嫌な予感はしてたけど、まさかそんな事までするとはねぇ。仁王、何かされなかった?」
「いや、足留めされただけじゃ」
「正直、璃亜より仁王達の方が危ないかも。那由なんて階段から突き落とされたし」
「え、それマジッスか?大丈夫だったんスか!?」
「おう、大丈夫だぜ!まぁ、余裕で怪我したけどな!」
「それ大丈夫じゃねぇだろぃ」
想像以上に鈴木がヤバイって事は、よくわかったナリ。そんな奴と璃亜が2人っきりだったと思うと恐ろしいぜよ。
そして雨音の話によれば、中学の時は特に璃亜に話し掛けたりせずにただ璃亜を影から見てただけだったらしい。
だから今回は随分と大胆に行動をしたみたいだねぇ…なんて言いながらもかなりビックリしてる様子じゃ。
それに嫌がらせの件は、羽川も知らなかったらしく目を丸くして驚いとった。
「しかし、そんな嫌がらせをされていたと言う情報はなかったが」
「だって俺等しか知らないし。あいつ、外面が良いから俺等の勘違いじゃない?って言われて終わるからね」
「俺なんてどうせふざけて落ちたんだろ?って言われて終わりだかんね」
「だから、嫌がらせされてもあいつのせいに出来ないんだよね。後、証拠が残る様なやり方しないし」
「へぇ、そんな相手を雨音はどうやって黙らせたの?」
「ん?お前、そんなに璃亜に嫌われたい?って忠告したら辞めたよ」
「雨音こえぇ…」
「つまり、楠木さんは本当になにも知らないと言う事ですか…そうなりますと、対処がかなり難しくなりますね」
俺等といる時は、特になにもしてこないって言うだけなら全然問題はないんじゃがな。教室なら俺やブンちゃんは席が隣な上に、参謀と羽川もいるからな。
じゃが、璃亜がなにも知らないとなると…鈴木に呼び出されたりして急に居なくなったりしそうじゃ。
仮に理由を璃亜に話したとして、璃亜が鈴木の誘いを断ったりしたらその場で何を仕出かすかわからん可能性もある訳か。
「俺等もなるべく気に掛ける様にはするけど、仁王達は本当に気を付けなよ。何されるかわからないから」
「璃亜先輩には、話さないんスか?」
「いや、こちらとしても璃亜にバレたらマズイんだよねぇ。璃亜なら単独突攻するでしょ」
「あぁ…璃亜先輩ならしそうッス」
「鈴木に文句言いに行って、何かされたら困るからね。なるべく、璃亜には言いたくない」
「ふふ、さすが璃亜と付き合いが長いだけの事はあるね」
「散々、振り回されたからね。それと、羽川も気を付けなよ。お前も璃亜の友達って事で利用されかねない」
雨音の言葉に羽川がゆっくりと頷くがやはり不安なのか険しい表情のままだ。
それにしても本当に雨音は、璃亜をよく理解しとるのぅ。確かに、璃亜に話したりしたら鈴木に文句を言いに行くに決まっとるぜよ。
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