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ん〜それにしてもいい天気だなぁ。やっぱり、こう天気がいいと眠くなるのは仕方無いよね。
特に仁王と話す事はないのでゴロンと仁王を背にして横向きに寝転がる。
うん、早苗が来なくても仁王が起こしてくれるだろう。
そう思いつつ、ゆっくりと目を瞑ったのだが…
「いたっ!ちょ、なにすんだ!寝かせろや!」
仁王に軽く髪の毛引っ張られた。
「え、なにしてんの!?いたっ!首折れるっつーの!!」
「…お前さん、あの日は雨音達とずっと一緒にいたと思ってたが…財前と2人っきりになったじゃろ?」
「はぁ?なんの話?」
「練習試合で四天宝寺が来た次の日の事じゃ、雨音に呼ばれてお前さん帰ったじゃろ」
「あぁ、あの日か。確かに、ひーちゃんとはうちん家でご飯食べたりしたけど?」
とりあえず、なんでかわからないけどあたしの首筋を撫でる仁王がウザったいからゆっくりと起き上がる。
てか、擽ったいからやめろや。
そして仁王の手を叩いて体を起こすと目の前には、険しい顔をした仁王がいた。
なんだ、どうした。
「お前さん、本物のバカじゃろ」
「いきなり罵倒とは何事だ!って、おいっ…ちょ、近い!殴るぞ!!」
「…まぁ、別に焦る必要ないかのぅ。そん時に財前になんかされんかったか?」
「は?ひーちゃんに?ん〜、噛み付かれ掛けたくらい?まぁ、噛まれてはないけど」
「ハァッ…もう財前と2人っきりにならん様にしんしゃい。お前さんは、無防備過ぎる」
「いや、なんでそうなっ…ち、ちかーい!!やめろ、来るな!」
そして何故かジリジリと寄って来る仁王から後退る様に逃げるが、残念!璃亜は、壁に追い詰められてしまった!!
座ってる体制でまさかの壁ドンですよ。これ、普通の女の子なら怖くて泣くんじゃね?
仁王、目付き悪いし身長も高いし。そして逆光で怖さ倍増中だからね。なにこれ、さすがのあたしもちょっと怖い。
まぁ、怒ってる感じではないけど。
「これ、あんまり大声出すんじゃなか。これでもサボっとるんじゃから」
「あ、やべっ…完全に夏休み感が抜けてないわ」
「お前さんは、もう少し警戒心を持った方がいいぜよ。赤也ん家に泊まったり…バカ過ぎるナリ」
「なんでだ!康ちゃんは、よくあたしを泊めてくれるし、泊まって行くぞ!」
「それは、佐々木も一緒じゃろ?いや、それも問題じゃが」
「まぁ、那由もいる時あるけど、康ちゃんだけの方が多い」
そのあたしの言葉に額を押さえながら盛大な溜め息を吐く仁王に頭を傾げる。
あぁ、中学時代はバンド組んでたのもあるしよくあたしん家に泊まってたなぁ。
今は、全然泊まり合いしてないけど…なんか寂しいな。後で康ちゃんに聞いてみよ。
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