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そして驚いた様子の跡部だったが、すぐに璃亜の手を握った。
「最後のは、さすがにビビったぜ。なんだよ、あのスマッシュ。あぁん?」
「へへっ…1ポイントっとれ…た…」
「お、おいっ!大丈夫か?!医者だ!早くこいつを連れて行け!」
「…んっ…大丈夫…歩ける」
「…仕方ねぇな。ほら、腕に掴まれ」
璃亜は、フラフラとしながらもまだ意識はある様で跡部に支えながらゆっくりとこちらに向かってくる。
本当ならすぐにでも医者にみせたいが璃亜が大丈夫と言ってるのでそれを跡部は優先している様だ。
「お、おい!だ、大丈夫かよ?」
「大丈夫…大丈夫…」
「跡部、うちのマネージャーが世話になったね。と言うより、よくも勝手に連れ出してくれたね」
「ハッ、幸村に真田か。わざわざ迎えに来るくらい大事なんだな。あぁん?」
「ふふっ…当たり前だろ。俺達のマネージャーなんだから」
ふらつく璃亜は、虚ろな目で俺と真田を見ると少しすまなそうな顔をした。
ちゃんと認識できているのか怪しいがとりあえず、早いところ帰らなければならない。
そろそろ、日も沈むし。何より跡部に送ってもらうにしろかなりの移動距離がある。
「…ごめん」
「お、おっと…無理をするな。跡部、悪いがすぐに帰らせてもらうぞ」
「……んっ?…あれ、にお…う?」
俺と真田に頭を下げて謝るがそのせいでフラりと璃亜がバランスを崩して真田の胸に寄り掛かる。
しかしその瞬間に何故か仁王の名を呼んだ璃亜に誰もが頭を傾げた。
………………。
「まさかと思うけど真田に変装した仁王って事はないよね?」
「……はぁ、なんでバレたんじゃろうな」
「ハッ、なんだお前仁王だったのかよ。相変わらずの詐欺師だな」
「まさか仁王だとは、思わなかったよ。じゃあ真田は、残ってるって事だな?」
「そうじゃ。参謀と羽川に頼まれてのぅ。真田には、残ってもらったんじゃ」
ふーん。あの柳と羽川さんが頼むくらいなんだから何か考えがあっての事だろう。
真田改め仁王に寄り掛かる璃亜を支えながらゆっくりと真田の詐欺師を解く仁王。
とりあえず、璃亜の意識が余りはっきりしてない様子なので一旦医者にみせることになった。
そして最終的にこのまま帰るのは璃亜に負担が掛かると言う話になり、明日は土曜日と言うことで跡部の家に泊まる事となった。
(なら俺等も泊まろうぜ!な、侑士!)
(せやなぁ、お邪魔させてもらおか)
(俺も俺もー!行くC〜!)
(ふんっ…多少心配ですからね)
(宍戸さんが行くかなら…)
(おう、久し振りに行くか長太郎!)
(へぇ…なら俺も行こうかな。※滝さん)
(まぁ、いいんじゃねぇの
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