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そしてなんだかテンションが上がって来たあたしがテニス部の練習が見たいと言うとなんともあっさりOKが出た。

うわぁ〜…。

感想と言えばただ凄いの一言だった。がっくんは、なんか凄い跳んでるし。ジローちゃんは相変わらずテンション高いけどなんか手首ぐにゃぐにゃしてるし。

ぴよくんは、古武術の構えでなんか楽しそうなポーズしてるし。宍戸くんは、動きが速いし。ちょたくんは、サーブ見えないしでとりあえず凄い。


あ、ちなみにキラキラと伊達眼鏡は見てなかったのでわかりません。あと樺地くん?もなんかキラキラといたけど見れなかった。



「どうだ?俺様の美技は!」

「え、あ?見てなかったわ。がっくんもう一回跳んで跳んでー!」

「おう、いいぜ!侑士行くぜー!」

「ほな、お嬢ちゃん俺の事も見ててぇな」

「がっくんすげぇー!!」

「…全く聞いてへんな」



うん、やっぱり見てて気持ち良いのはがっくんが断トツだな。てか、あんだけ高く飛べるならバスケでも活躍出来ただろうになぁ。

でも楽しそうにテニスをしているがっくんを見るとテニス部でよかったんだろうなと思う。


…………。



「なっ…どうしたんですか?!跡部部長、璃亜さんが」

「…あぁん?おい、どうした!?具合悪いのか?」

「…あ、ごめんなさい。なんかみんな楽しそうだなぁって思ったら…ハハッ」

「……?なんの事です?」

「……お前、テニスは出来るのか?日吉、璃亜にラケット貸してやれ」

「え?」

「ならお前もやればいいだろ。特別に俺様が打ってやる、感謝するんだな」



やっぱり付き合いが長い人の前では強がれても、見知ってそんなに経ってない人の前だと強がる事が出来ないようだ。

あたしだってバスケしたかった。いっぱい跳んでいっぱいバスケしたかった。

でも出来ないから。自由に跳んで楽しそうにテニスをするがっくんを見てたら凄く悲しくなった。

なんであたしは、バスケを出来ないんだろうって…我慢しなくちゃダメなんだろうって。



「時間は、5分だ。その間、お前の好きに動いて構わねぇ。医者なら用意しといてやる」

「…やっぱり知ってたんだ」

「ハッ…あの幸村と真田に怒鳴られたがな。同情なんかしねぇが…辛いのはわかる。だから今日は無茶していいんじゃねぇの?文句言うやつはいねぇ事だし。あぁん?」

「ハハッ…そうだね。見た目によらずいいやつじゃん」

「あぁん?今頃気付いたのかよ?ハッ…惚れてもいいんだぜ」



…なんだろ。なんかわからないけどぴよくんからラケットを受け取りコートに入るけど、なんでかドキドキする。

5分だけ…5分だけなら本気で体を動かしていい。

それだけなのに、たったそれだけの事なのに凄く嬉しくて泣きたくなった。


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