全力で挑める喜び (1/4)
とりあえず、氷帝の方々は特にあたしに害を加える気はないらしい。
むしろ、なんか凄い丁重に扱われている件について。
なんかハイテンションくんことジローちゃんが何故かあたしに凄い懐いてるんですが。いや、なんか可愛いからいいですけど…ちょっとうるさいのがたまに傷。
「璃亜ちゃん璃亜ちゃん!丸井くんの話しようよー!」
「…ホント好きだね。てか、あたし彼女じゃないからね?勘違いしないでね」
「なーんだ、彼女じゃねぇのかよ。つっまんねぇーの」
「がっくんを楽しませるつもりは、微塵もない訳ですが。よーしよしよし」
「お、おい!撫でんな!髪型乱れんだろ!やめろって!」
「がっくんは、可愛いですねー」
そして奇抜カットこと向日岳人は、何かとあたしに突っ掛かって来るんだけどなんか憎めないと言うか…なんか可愛いんですよね。
しかも小柄だし!※ここ重要!
いや、まぁ…あたしよりは身長は高いんですけどね。
ちなみにがっくんって言うのはあたしが勝手に呼んでます。
「…なんであの二人は、あんなすぐに仲良くなれるんですかね」
「ジローは、丸井の知り合いやから懐いてるんやろ。岳人は、まぁ…岳人やからなぁ」
「璃亜さん、なんか笑うと可愛いですね」
「な、なに言い出すんだよ、長太郎。ちょいダサだぜ」
「キノコちゃん!なに君、古武術やってんの?ちょっと教えてくんない?」
「…キノコって俺の事ですか」
みんなテニス部と言うことでどんなプレイをするのかを聞いていたらなんと"古武術"とやらを取り入れている子がいるらしくて興味を持った。
理由としては、古武術でいつもやかましい赤髪や切原くん達を黙らせたいと思ったから。
うん、我ながら天才である。
「…チッ、日吉若ですよ。それに古武術は、そう簡単に出来るものじゃないんですよ」
「あ、あたし物覚えいいからとりあえず1回見せてー」
「そのくらい、いいじゃんねぇか!見せてみろよ、日吉!」
「…仕方ないですね。構えはこうです。簡単な技は、…向日さんちょっと来て下さい」
「おっ!なんだよ?って、いてててっ…!」
「こんな感じです。教えるって言っても俺も習ってる身なんでそこまで教えられないんですよ」
「くそくそっ…!日吉のやつ!いきなり何すんだよ!」
ほぅ…なんか凄い構えだけどとりあえずやってみよう。
よし、あたしもがっくんを相手にしてっと…。
そして完璧に模擬したあたしを見てみんな驚いていたが、がっくんだけは痛い痛いと騒いでいた。
うん、これで赤髪と切原くんを黙らせることが出来そうだ。
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