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そしてなんだかんだで、ノリノリで歌っちゃったあたしです。いや、やっぱり音楽っていいよね!
そんで今じゃ謙也も康ちゃん達と楽しそうに話をしている。て言うか、謙也がギターも弾ける事にビビるんだけど。
そして何故か、あたしは特にやる事がないので何やらイスに座ってスマホを熱心に弄っているひーちゃんに軽く覆い被さる。
「なーにしてんの!ひーちゃんも音合わせすれば?ギターもベースも出来るんだし」
「今、さっき録音した音確認しとるんッスわ。璃亜さん、ホンマええ声っスわ」
「やめてなんか恥ずかしい」
「別に特別、綺麗な声とか可愛い声って訳ちゃうけどなんか耳に残るっちゅーか、璃亜さんの歌い方好きっスわ」
「ちょ、誉め殺しやめて!恥ずかしい!!」
「でも雨音さんから昔の音源とか貰ったんスけど、やっぱり最近の歌い方の方が好きッスわ」
「……ファッ!?」
康ちゃぁぁぁぁん!!なにしてんのー!?
え?昔のって中学の時のヤツとかあるよね?やめて!あたしの黒歴史に触れないで!て言うか、音源まだあったのかよ。いや、あたしも思い出として保管はしてあるけどさ!
なんでそれをひーちゃんに聴かせちゃうのー!え…いや、ひーちゃん…今、貰ったって言ったよね?
「え?音源、貰ったの?」
「おん、家にあるで。んで、PCに移してスマホでも聴ける様にしたんやけどヤバいッスわ」
「イヤァァァアァ!!消しなさい!そんな破滅の歌!てか、康ちゃんマジでなにしてんの!怒るよ!!」
「なに?あぁ、音源の話?財前が聴きたいって言うから音源送ってあげたんだよ」
「ちっがーう!!そうじゃない!なんでそんな黒歴史の産物をひーちゃんに送ったし!」
「え?ダメだった?俺は、璃亜の歌好きだから仲間増えて嬉しかったんだけど」
「なんやそれ、俺も聞きたいんやけど」
ちょっと、康ちゃんズルい。そんな言い方されたら怒れないでしょーが!そして那由、この間のライブのならあるから聴く?とか言って謙也を連れてくな!
あぁ、もういいや。
ひーちゃんに音源が渡ってる時点で諦めよう。恥ずかしいのは確かだが、別に下手ではないとおもっ…思うし(自信薄)。
て言うか、なんか今度は謙也と那由、ひーちゃんと康ちゃんで話し始めてあたしがボッチなんですけど。この人達、酷い!
呼んどいてボッチにするとは何事だ!
ドラム叩きたいけど制服だから康ちゃんにダメって言われたし。悲しみに包まれたあたしは、隅っこでスマホをいじいじしてます。
キーボードの気分じゃないし。
そんなあたしに気付いたのかさっきのお返しと言わんばかりにひーちゃんが後ろから覆い被さる様に抱き付いて来て、危うくスマホを落とし掛けた。
「なんや、拗ねとるん?」
「別に拗ねてないし、康ちゃんと話してれば?てか、あたしがいる意味あるの?」
「なかったら呼ばんやろ。まぁ、雨音さんに話したい事があったんは事実やけど」
「仲良くなり過ぎだろ」
「ちゅーか、昨日まともに相手してくれへんかったんは璃亜さんやんか」
「昨日?あ、あぁ…蔵の地雷駆除が大変だったからね」
てか、あたしより完全にひーちゃんの方が拗ねてるじゃないですかー!
昨日は、なにかと蔵とか蔵とか蔵とか…時々、金ちゃんと千歳くんに構われてたからね。
ひーちゃんが話し掛けてたのは知ってたけど、華麗に蔵が乱入→いつの間にかひーちゃんいない→金ちゃん乱入→大騒ぎ。
みたいな感じになってたからね。
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