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そしてさすがにこのままにしておけないので、女の子を送って行く事にした。普通に時間はあるしね。
ちなみに女の子は町田さんと言うらしい。しかも相当怖かったのか町田さんは、あたしの手を握ったままである。
まぁ、可愛い女の子に手を握られて嫌な気分にはならないので、町田さんに道を聞きながら歩いた。
そして町田さんの案内により無事に寮に着きました。とりあえず、特になにもなく送れてよかった。
「…ほ、本当にありがとうございました!」
「いいえ。また絡まれたら警察呼ぶとか叫ぶ様にしなね」
「は、はいっ!」
「町田さんは、可愛いんだから十分気を付けてね」
「あれ?璃亜?」
必死に頭を下げている町田さんに気にしないでと頭を撫でて、去ろうとしたら横から声を掛けられた。
聞き覚えのある声で正直誰だかわかったが、ゆっくりとそっちを向くとやっぱりあたしの知ってる人でした。
隣には、知らない人がいるけど仲良さそうなところを見ると友達なのかな。
てか、何故こんなところにいるんだ。
「どうして周助くんがここに?」
「ふふふ、璃亜こそ。その子、璃亜の友達なの?」
「友達って言うか…まぁ、そんなところって事にしといて」
「ふふふ、訳有りって感じかな?」
「…町田、なにかあったのか?」
「ふ、不二くん…」
あたしと周助くんの会話を聞いていたらしく、周助くんの友達が町田さんに声を掛けた。
…ん、んんん?不二くん?
町田さんは周助くんを知ってるのか?でも声を掛けたのは周助くんの友達だよね?どういうこっちゃ。
そんな事を考えていると町田さんが男の人に絡まれていたのを助けて貰ったと説明していた。なんか途中、かっこよかったとか王子様とか聞こえた気がしたが気のせいだろう。
「ふふふ、なるほど。璃亜らしいね」
「たまたまだけどね。まぁ、あたしは帰るよ」
「待って、裕太を璃亜に紹介しなくちゃ」
「…裕太?あぁ、周助くんの友達?いいよ、もう会わないだろうし」
「友達?ふふふ、裕太は僕の弟だよ。機会があれば紹介するって言ってたでしょ?」
可愛いでしょ?と優しく笑う周助くんにポカーンと口を開けたまま、周助くんに可愛いとか言うな!と顔赤くして反論している裕太くんとやらを見る。
………おとうと?
パッと見、爽やかなスポーツ少年っぽい。でもよく見ると確かに可愛い顔をしているかも知れない。おめめパッチリだし。
あれ?でも周助くんの目は…
…っ!?なんか開眼してこっち見た!
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