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あぁ、なんか落ち着く。
柳くんがノート開いてないだけで、この安心感だよ。



「むっ…どうした、楠木?」

「いや、特に用はないんだけど。ほら、あっちうるさいからさ」

「楠木が原因の確率98.9%」

「もうそれほぼあたしのせいですね!てか、さっきノート持ってなかったのに!どっから出したし!?」

「…あんたが来ると本当にうるさいわね。あ、次の切原くんのタイムは璃亜がやってちょうだい」

「へいへい。どうせ、さっきのシゴきでまたメニュー変更したんだろ」

「まぁ、そんなところよ」



タイムって事は、また体力メニューかな。別に赤也が飛び抜けて体力がないって訳じゃないんだけどねぇ。

やっぱりペース配分の関係かなぁ。まぁ、ペース以前に赤也は無我を使い過ぎなだけなんだけさ。

とりあえず、柳くんからメニューノートを貰い軽く目を通す。あれ?走るんじゃない上に仁王も一緒なのか。

…あぁ、そういうメニューか。



「また大胆と言うか…これ、もしもの時はあたしに止めろって事でしょ?」

「うむ、楠木で無理なら弦一郎に止めてもらうまでだがな」

「…鉄拳どころじゃ済まなそうなんですがそれは」

「うむ、大丈夫だとは思うが…なにかあればすぐ呼んでくれ」

「いや、真田くんマジですぐ来るからな。まぁ、無理はさせたくないからこっちでどうにかするよ」



まぁ、いいや。とりあえず、メニューノートを持って相変わらず騒いでる連中の元へ戻る。

てか、なんか白石くんとブン太がコートに入ってるのはなんなんだろうか。貴重な休憩中になにやってんだ。

なんか赤也は、手塚くんに相手して下さいよ〜とか頼んでるし。お前等、自由過ぎかよ。



「そんなに相手して欲しいなら璃亜さんが相手になってやろうじゃないか!」

「え、マジッスか!!」

「まぁ、5分だけな。仁王ラケット貸して〜」

「ん、無理するんじゃなかよ」

「赤也とか余裕!」

「あ、言ったッスね?容赦しないッスからね!」

「おう、掛かって来いよ!」



そして休憩中なのにあたしもコートに入ると言う。て言うか、赤也とは打ち慣れてるってだけで勝てる要素は皆無である!!

いや、なんか精市と話してたらちょっと打ちたくなっただけなんだけどね。

あ、そうだ。毎回、誰かにラケット借りてるしそろそろ自分のラケット買おうかなぁ。

なんて思いながら赤也の苦手なコースを攻めまくった。





(ぬわー!ちょ、璃亜先輩!!)
(おらおらー!次行くぞー!)
(ちょ、それズルいッス!)
(ふははー!貴様にこれが取れるかー!)
(だから取れないッスよ!)
(あのサーブは、未だによくわからないな)
(ふふふ、企業秘密らしいよ)
(急に打球が消えた様に見えるな)
(あれスピードはないんだけどね)
(幸村は返せたのか?)
(ふふふ、すぐに攻略されちゃうから俺には使わないらしいよ)
(フッ、なるほど。楠木らしいな)

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