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そして全国大会について話をしていると白石くんがちょいちょいとあたしの太股を叩いたので、チラリと隣を見れば何故かシッーってやられた。

とりあえず、よくわからないので頭を傾げてると膝に乗せていた手を指差される。

……んん?手を貸せって事?

膝から手を下ろして手を広げて頭を傾げていると、白石くんが嬉しそうに頷くとあたしの手を握った。


―――ガンッ!


「…っ!!ご、ごめん!」

「ビックリした。なに急に?」

「い、いや、なんでもない」

「もしかして、疲れてる?大丈夫かい?」

「だ、大丈夫!」


急に手を握られたかと思ったら指を絡められて思わず机に足をぶつけてしまった。

あ、ちなみに今更ですが座敷です。ゆっくり座れる様にって跡部くんが手配してくれた打ち上げ会場は、高級料亭です。

って、そんな事より!
バッと白石くんを見ればどしたん?と言わんばかりの笑みを浮かべていらっしゃる。



「璃亜ちゃん、顔赤いで?ちょい外の空気でも吸いに行くか?」

「大丈夫です!ご心配なく!」

「ならええんやけど」

「あ、そう言えば璃亜は、いつまで俺を幸村くん呼びなの?おかしいよね?不二は周助くん呼びなのに」

「えぇ!?いきなり話題変わり過ぎじゃない!?てか、え?ダメなの?」



とりあえず、隣で指を絡めてからかってる人は置いといて…急にそんな事を言い出した幸村くんの方を向くが…

か、顔がちかーい!!!

なんなんだ!右も左も逃げ場がないじゃないか!しかも幸村くんに逃がさないと言わんばかりに頬に手を添えられる。

ひ、ひえーーっ!!



「は、離して下さい!幸村さん!」

「ふふふ、精市」

「え、えぇ!?せ、せーいちくん」

「ふふふ、精市だってば」

「わ、わかったから!せ、精市!」

「ふふふ、よく出来ました」

「ほな、俺も名前で呼んでええよ?」

「なら、俺も呼んで貰おうかな」



い、いやぁぁぁー!!

え、なんなの?別に呼び方なんてなんでもいいじゃないか!そんな爽やかな笑顔でこっちを見ないで頂きたい!

て、手塚くん助けて!!このメンバーで1番まともだと思われる手塚くーん!!


「ふふふ、なら折角だし手塚も呼んで貰えば?」

「う、うむ…」


しゅ、周助くーーん!!なんて事を言い出すんだ!

そして手塚くんもなに頷いてるんだ!そして期待した目でこっちを見ないで下さい!



「ほな、璃亜ちゃん?俺からよろしくやで」

「え、えーと…く、くらのすけくん?」

「言いにくいんなら蔵でええよ?」

「くらくん?なんかクリクラみたい…」

「なんでやねん!蔵でええって」

「じゃ、じゃあ蔵…」

「おん、璃亜ちゃん」



ダメだ、あたしの顔がファイヤーする。

しかし、今更逃げられる訳もなく見事にみんなを名前呼びしました。

幸村くん→精市
白石くん→蔵
佐伯くん→虎次郎くん
手塚くん→国光くん

正直、呼べる気がしません。
誰か助けて下さい。


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