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そんな木手くんを無視して、凛とがっくんに向き直るとそこには…何故かスマホを構えた忍足がいた。

とりあえず、咄嗟に回し蹴りをした。体が勝手に動いたというのは、まさにこの事である。



「ちょ、璃亜ちゃん!?なんて事するんや!」

「氷帝警察の方ー!この盗撮魔を逮捕してーー!!スマホ取り上げてー!!」

「ハァ…またですか。忍足さんも懲りないですね」

「そう言いながらスマホを放り投げるわかちゃん、マジ鬼畜!てか、わかちゃんは体大丈夫なのか!」

「まぁ、問題はないですっ…」

「璃亜ちゃーーーん!!」

「…ぐはっ!?」



大丈夫?とわかちゃんに触れようとした瞬間、あたしはトラックかなにかに跳ねられた様だ…。

いや、ジローちゃんなんですけどね。なんか色々と勢いがヤバかった。あたし、あばら骨とか折れたかもしれない。

そして軽く死に掛けているあたしを満面の笑みで見つめるジローちゃん。あれ?なんかジローちゃんが悪魔に見えるぞ?



「ワイもワイもー!!」

「や、やめて!これで金ちゃんのタックルとか食らったらあたしマジで死ぬから!」

「なら、璃亜は俺が守ってやるばい」

「ギャーッ!!千歳くんアトラクション再び!?ここは頭ぶつけるからやめっ…いた!!」

「あぁ!千歳ズルいでぇ!!」



もうやだ、このカオス!とりあえず、逃げよう!なんか、もう少しゆっくり出来る場所に逃げよう。

だってあたし、乾杯してからまともに座れてないよ!おかしいよね?お腹も空いたし!

みんなも大人しく食べなさいよ!



「ふふふっ、それで俺のところ?て言うか、普通はここにいるハズだよね」

「い、いや…なんかテンション上がったら」

「まぁ、いいよ。璃亜は、なにか食べる?今は、サラダしかないけど」

「幸村くんの残り物でいいッス」

「その言い方やめてくれる?ほら、俺の食べ掛けでいいなら食べていいよ」



幸村くんを含めた部長ズ+周助くんの席に逃げて来ました。ちなみにメンバーは、幸村くん・手塚くん・佐伯くん・白石くん・周助くんの5人です。

比較的、まともなメンバーだと思います。佐伯くんと白石くんがちょっと怪しいけど。

なのに幸村くんと白石くんに挟まれてるって言う!まぁ、別にいいんだけどさ。



「ふふっ、また泣き腫らした目してるね。冷やさなくて大丈夫かい?」

「え、大丈夫!しかし、感動し過ぎて泣き過ぎたよ…うん」

「ふふふ、鼻水垂らしてたしね」

「ちょ、幸村くんシッーー!」

「確かに、幸村くんに抱き付いて大泣きしとったなぁ。切原くんと一緒に」

「え、白石くん見てたの!?」

「コートの真ん中だったしね。あんなに嬉し泣きしてる女の子は、初めてみたよ」



あたしの顔を見るなり心配そうに笑う周助くんだったが、心なしか嬉しそうだ。

そしてサラッと佐伯くんまでもが見ていた発言をする。いや、確かにあの会場には合宿参加校みんないたしね。

当たり前ですね。
大変、恥ずかしいです。


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