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その後、少し後ろの席で赤也の様子を見ながら真田くんと柳くんの試合を見ていた。
赤也は呼吸と汗も落ち着いたし、寝てるだけっぽいんだけど冷タオルでオデコを冷やしていた。
「………んっ…」
「ん、赤也?目覚めた?」
「…っ、…あれっ…?」
「お、顔色は悪くねぇな。ジャッカル、ドリンク」
「おう。大丈夫か、赤也」
「…お、俺…」
目が覚めたばかりの赤也は、あたしの膝でなにがなんだかなわからない様子だったが、状況を理解したのか今にも泣き出しそうに顔を歪めた。
そんな赤也に大丈夫だからの意味を込めて頭を撫でてやると、ゆっくりと起き上がると何故か頭を下げられた。
さすがのあたし達もそれには、ビックリして一瞬言葉を失う。
「っすんません…お、俺…また負けっ…」
「赤也」
「なに言ってんだよぃ」
「お前は、負けてねぇよ」
「えっ…」
顔を上げた赤也は、今にも泣き出しそうで本当にバカだなぁ…と思いながらよしよしと頭を撫でる。
それを見ていたブン太とジャッカルくんが全く…と言わんばかりに溜め息を吐きながらドリンクを差し出す。
しかし赤也は、え?なにが?みたいな顔をしてドリンクとブン太とジャッカルくんを交互に見て慌てている。
ダメだ、この後輩。
「赤也は、負けてないぜ」
「まっ、勝ってもねぇけどな」
「……?」
「赤也とわかちゃんが2人共倒れて、試合続行不可能でノーゲームになったんだよ」
「そういう事っ。だから、泣いてんじゃねぇよ。負けてねぇって言ってんだろぃ」
まぁ、結局泣き出す赤也をブン太とジャッカルくんが後ろからわしゃわしゃと頭を撫でている。
コートを見れば、右腕を掲げながら戻って来る真田くんと柳くん。あら、早苗さんったら泣きそう。
いや、その気持ちはよくわかりますけどね。
結果的にD1は、6-3で真田くんと柳くんが勝った。宍戸くんとちょたくんのシンクロを破ったのはさすがとしか言えない。
「赤也、立てる?前行こっか」
「うぅっ…はいっす…」
「なんで泣くんだよぃ…。ほら、行くぜ」
「おら、肩貸してやるから」
「真田くーん!柳くーん!お疲れ様!!」
「ぬわっ…と、飛び付くな!」
「柳くんに早苗が飛び付いてるから、つい!それと赤也が目覚ましたよ!」
そして真田くんに飛び付くと更に後ろから赤也が飛び付いて来て、なんか変な事になった。
とりあえず、赤也が真田くんに泣き付いてる内にゆっくりとベンチから立ち上がる幸村くんの元へ向かう。
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