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つーか、苦しいんだけど。いつまで胸ぐら掴んでんだよ、こいつ。
そう思った瞬間、あたしの態度に遂にキレたのか拳が飛んでくる。
おぉ、遅い遅い。余裕で受け流しっ…
「なっ…璃亜っ!!……っ!」
「ちょ、け、謙也さん大丈夫ッスか!って、璃亜せんぱっ……」
「…な、なんで四天宝寺のヤツが」
「はぁ?お前、なにしてんの?殴るならちゃんとあたしを殴れよ。バカなの?死ねよ」
「お、おぅ…璃亜?お、俺大丈夫やで?た、大した事あらへん」
あたしの帰りが遅かったからなのかなんなのかわからないけど、あたしの代わりに何故か飛び出して来た謙也が拳が受けた。
赤也は、そんな謙也に駆け寄って大丈夫ッスか?なんて言ってるが、ちょっとそれどころじゃない。
あたしが受け流す気満々で棒立ちだったのもそうだけど、まさか謙也が飛び出して来てまで拳を止めるとは思わないじゃないか。
問題を起こしたくないと思いつつも、謙也を殴ったこいつ等を殴りたくて仕方ない。
「え、あっ…璃亜先輩っ…お、落ち着いて下さいよ!」
「おい…お前等、謝れよ。あたしには謝らなくていいけど、謙也には謝れ」
「だ、大丈夫やって!ちゅーか、お前等もさっさと行けや!問題にされたないやろ!」
「ちっ…!行くぞ」
「そこの女、覚えてろよ」
そして何故かあたしに抱き付いて必死に宥めてる赤也と、何故か殴られたのに相手を逃がす謙也に更にイライラが募る。
でも元は、あたしが絡まれた上に相手をしたのが悪い。
ゆっくりと赤也から離れて謙也に近付いて頬に触れる。うわぁ…普通に赤くなってるし。これ、口ん中切れてるんじゃないかな。
「ごめんね。痛かったでしょ」
「なっ…こ、こんなもん全然平気っちゅー話や!それより、璃亜は大丈夫なんか!!」
「全然、大丈夫。ごめん、無視すればよかったのにあたしが相手にしたから」
「き、気にすんなや!璃亜が無事ならそれでええっちゅー話やねん!」
あぁ〜…なんか冷静になったら全部あたしのせいなんじゃないかと思えてきた。
いや、立海と四天宝寺をバカにしたあいつ等も悪いけどな。そして絶対に許さねぇ。
とりあえず、罪悪感やらなんやらに包まれているあたしはテンションがた落ちで赤也と謙也と共にBコートに戻った。
ちなみに白石くんと幸村くんのところには戻らずに謙也と赤也と一緒にコートを見つめた。
てか、試合見るなら座りたいよね。立ち見って地味に辛い。
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