要らないメモ書き (1/4)
あの事件後というもの…基本的にあたしに誰かが付いてます。つまり、一人になれないんです。とてつもなく窮屈です。
でも心配をしてくれているという意味では、嬉しいので強く言えずにいる。
「璃亜〜どこ行くんだよぃ?」
「トイレじゃ!付いてくんなよ!」
「羽川ー!璃亜がトイレだってー付いていってやってくれぃ」
「えぇ、今行くわ」
「なんでやねん!トイレくらい一人で行けるわ!ガキか!」
「まぁ、そう怒りなさんな。みんな心配しとるんじゃよ」
うぐっ…そ、それはわかるけどさ。さすがにトイレくらい一人で行かせてくれてもいいじゃない。
あたし連れションとかするタイプじゃないし。早苗だってそういうタイプじゃない。
いや、別に早苗とトイレに行くのが嫌とじゃないんだけどさ。
あーもう…いいや。
ほら、行くよ?と頭を傾げる早苗に何も言えず素直に早苗とトイレに向かった。
「みんな過保護過ぎね?」
「そんなの当たり前でしょ」
「えー…さすがに校内じゃ何もされないでしょ。他の生徒もいるし」
「あんたホントにバカね。校内に璃亜の味方がいるとでも?敵しかいないわよ」
「あー…まぁ、そうか」
「あんたが連れ去られようが、見て見ぬフリする輩の方が多いに決まってるでしょ」
まぁ、そうですよねー。
ファンクラブのキチガイ集団は、怖いもんねー。関わりたくないもんねー。
てか、あたしも関わりたくないんだけどなー。なんで関わってくるのかなー。マジで迷惑だなー。
そう言えば、あの男子生徒達は謹慎を食らったらしいが…ぶっ飛ばした仁王にはお咎めなしだったらしい。
いや、まぁ…当たり前?なのかな。いや、でも暴力はいかんよ!スポーツマンとして!
「幸村くんが本気でマネージャーになった方がいいって言ってたよ?」
「うーん…」
「マネージャーやりたくない理由でもあるの?あんた放課後、暇じゃない」
「いや、まぁ…暇だけどさぁ。なんかその守るとか守られるとかが嫌なんだって」
「実際に守ってもらってるんだから仕方ないじゃない」
「うーん…単純に純粋にマネージャーになってくれって言うならまだやってもいいかな〜とは思うよ?」
早苗が言ってる事は、ごもっともなんだが…やっぱりその守るとか守られるってのが嫌なんだよなぁ。
実際、守ってもらってるんだから何も言えないんですが…それは。
うーんうーん…と悩みながらもトイレを済ませて教室に戻れば相変わらず喧しい。
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