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そしてD2の試合なんだけど…



「ふふふ、いいテンションだ。さすがの忍足もあのテンションの赤也に反応出来てないね」

「赤也、めっちゃ楽しそう」

「仁王がきちんと赤也をコントロールしている。万が一はない」

「あ、でも財前が動いたぜぃ。うわっ…なんだよアレ」

「ほぅ…赤也と同じく1年でエースなだけはあるな。あの仁王を抜くとは」

「しかし、下手な挑発は彼を刺激するだけです。その証に珍しく仁王くんがやる気を出した様ですよ」



ひーちゃん、新技ちゃんと完成したんだ。合宿の時は、形は完成してたけどかなり肘に負担掛かってたからね。

やはり、天才か。

そしてその新技で見事に仁王の右サイドを抜いたんだけど…柳生くんの言った通り、ずっとイリュージョンもなにもせずにいた仁王が動き出す。



「えっ…ちょ、アレ!あたしの技なんですけど!!!」

「ふふふ、イリュージョンなしでよく再現出来たね。やっぱり、仁王は侮れないなぁ」

「技名ねぇの?」

「ねぇよ!え、てか、あたし数回しか見せた事ないのに!あいつ、やべぇな!」

「仁王くんは、フェザーヘヴンと勝手に呼んでいましたよ」

「ふふふ、璃亜らしい技名でいいじゃないか」



なんか勝手にあたしの技を使われてる上に名前まで付けられてるとかワロタ。

でも仁王は、あたしの技を決めると左腕を掲げた。

あぁ…そういう事か。
アハハッ…ズルいなぁ。



「ふふふ、璃亜よかったわね。一緒に試合出てるじゃない」

「仁王のヤツ、いいとこ持っていきやがって。でも確かに、璃亜も試合に出てるな」

「仁王くんは、ずっと楠木さんの技を研究してましてね。何度もイリュージョンでイメージトレーニングをしていて、私も付き合わされましたよ」

「なんだよ…ちくしょう。な、泣かないぞぉ…泣かないぞぉ!!」

「しかし、俺さえまともにデータを録れていない楠木の技を…やはりまずは、仁王のデータを録るべきか」



仁王は、あたしの為にずっと影で頑張ってくれてたんだ。

あたしは、試合に出れないからと、一緒に戦えないから…だからサポートしか出来ないと、関東大会の時に言った事を覚えていたんだと思う。

あぁ、もうっ…ズルい。
技見せてくれとか言えばいいのになんも言わないで…模倣も大変だっただろうに。

そして赤也と仁王がハイタッチしてる姿にまた涙が出そうになる。

しかし、柳くんは安定である。


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