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寒い…眠い…苦しい。

………?温かい?

重たい瞼をゆっくりと開けると目の前には、銀色がいっぱいで頭に?が浮かぶ。

あれ?あたしどうしたんだろう。洗濯をして…木陰で休憩してて…そしたら…変な男達が来て…

ハッとして勢い良く顔を上げたせいで何かに思いきり頭をぶつけて頭を押さえる。



「…目、覚めたか?」

「…っ…ん?あ、あれ?」

「もう大丈夫じゃ」

「あ、あんたっ…」

「遅くなって悪いの。もう大丈夫じゃき…そんな顔せんでくれ」



あ、あれ?お、おかしいなぁ…。
確か、練習中だったはずなんだけどなぁ?なんでいるのかなぁ〜…?

絶対に誰も来ないって…もうダメだって思ってたのになぁ。なんでいるんですかね…?

なんであんたがそんな泣きそうな顔をしているんですかね…?



「…っ」

「…怖かったじゃろ。よく堪えたのぅ」

「…うっさい」

「もう我慢しなくていいぜよ」

「…くっ…ふっ…ムカつくっ…」



ムカつくっ…銀髪のジャージを着てる事とかあたしの頭を優しく撫でてる事とか…

全部がムカつくのに…ムカつくのになんでか体の震えも涙も止まんなくってただただ銀髪の胸で泣いた。

怖かった。意識が薄れていく感覚も起きた時にどんな事をされているのかとか…何も考えたくなかった。

でもあたしは、無事らしい。すまなそうにあたしの頭を撫でているこの男のおかげで…



「……に、仁王…ありがと」

「…っ!別にいいぜよ」

「……う、うわっ…」

「…まともに歩けないんじゃろ?しっかり掴まりんしゃい」

「なっ…」

「お前さん…飯食べとるんか?軽すぎてビックリしたぜよ」



そしてだいぶ落ち着いたので立ち上がろうとしたのだが、安心したせいなのか腰が抜けてしまってまともに立つことが出来ないあたしをヒョイッと仁王が抱き抱えると何故かすげぇビックリした顔をされた。

てか、今気付いたんだけどっ!

仁王が服着てない!半裸なんだけど!あれっ!?なんで?!てか、肌が近い近い!



「…ふ、服着てよ!!」

「お前さんが着てるぜよ」

「えっ…」

「半袖も着せたからのぅ。お前さん死んでるのかと思うくらい冷たかったぜよ」

「……あ、そっか。制服…」

「何も思い出すんじゃなか」



真剣な顔でそう言う仁王に素直にコクりと頷くといい子じゃ。と言われた。

そして半裸の仁王とその仁王に抱き抱えられているあたしを見て部員全員が目を丸くしたのは言うまでもない。

ちなみに事情は、仁王が全部話してくれた。そして切原くんは、赤目になるし早苗は泣き出すしで大変な事になった。






(ホントに大丈夫だからっ…!)
(嘘付き!泣いた痕あるじゃない!)
(い、いや…でも未遂だし…)
(そういう問題じゃないッスよ)
(き、切原くんが怖い…)
(幸村くん、俺が潰して来ていいかよぃ?)
(許可したいところだけど俺が行くよ)
(とりあえず、みんな落ち着けって!)
(落ち着いてられるか。※全員)
(は、はい…すみません)


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