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いや、ちょっと待って…色々待って!

え、康ちゃんと那由が演奏すんじゃなかったの!?なんであたしまで駆り出されてんの!?

なんでドラムボーカル!?
しかもなんでこの曲チョイスしたし!終わってねぇし!今、夏真っ只中だし!



「那由、早くスマホ繋いで」

「ん〜、あったあった。こっちは、準備オッケー!」

「いや、ちょっと待てや!!」

「なに?ドラム嫌なら交換する?」

「いや、あたしがドラムしか出来ないの知ってるよね!?」

「スマホで音源出せるし。璃亜は、ボーカルで俺がドラムやるし」



これダメだ!康ちゃんやる気満々だ!てか、なんでみんな普通に聞く気満々!?

赤也とか正座してるし!
いや、そんな畏まられても!

…いや、もういいや。
なんか疲れたし。やるならさっさと済ませた方が早そうだ。

そして那由にアイコンタクトを送り、音源が流れ始める。



「"君と夏の終わり 将来の夢 大きな希望 忘れない 10年後の8月また出会えるのを信じて 最高の思い出を..."」



―――
――――
―――――



ふぅ…ちょっと歌詞曖昧だったけど、最後まで歌いきれっ…

って!?え、なに…どうしたの!?なんかみんなが固まってんだけど。

とりあえず、隣にいた康ちゃんに耳打ちをする。



「こ、康ちゃん…あたし、もしかして歌詞間違えてた?」

「いや、完璧だったよ。てか、久し振りなのによく覚えてたね」

「アレじゃね?璃亜の歌唱力にビビったんじゃね?」

「…あ、ごめんごめん。璃亜って歌上手かったんだね」



そして一番に口を開いたのは、幸村くんだった。

え、いや…まぁ、音楽好きだし。それなりだとは思うけど…そんなに驚く程ではないと思う。

そして幸村くんの言葉に我に返ったのかみんなが急に拍手をし始めてビビる。普通にビビる。

てか、赤也…お前その手に持ってるスマホはなんだ。



「ふふっ、正直驚いた。でもこの歌唱力なら、璃亜がボーカルに誘われるのも頷けるよ」

「でしょ。それにいつもうるさい分、破壊力凄いでしょ?」

「あれ?なんか康ちゃんにディスられてる気がするんだけど」

「まぁ、事実じゃね?俺も最初聞いた時は、自分の耳を疑ったし」

「那由は、うっせ!てか、お前2回くらい間違えたの知ってんだからな!音外しただろ!」

「だから、なんでギター弾けねぇクセにすぐに気付くんだよ!」



いや、そのくらいわかるわ!

まぁ、とりあえずこれで終わり終わり〜。歌うのは好きだけど、こういう風に歌うのはあんまり好きじゃないし。

人前で歌うならやっぱりちゃんとやりたいしね。


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