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そして説教タイムが終わり、いつもの様に部活が始まる。

もちろん、仁王は特別メニューで早苗がノート片手に指示を出している。

あれは、逃げ出せないですね。きっちり早苗を付ける辺り、抜かり無さ過ぎて笑う。


そしてあたしは、赤也のメニューの手伝いなうです。



「はい、13.7秒速い。5本追加ね」

「っ…ウィッス」

「さっきから意識し過ぎてペース上がってるから、あんまり意識しない様に走ってみな」

「…ウィッス」

「後、自分の呼吸をよく聞く。大丈夫、赤也なら出来るよ」

「…っ!はいッス!」



体力強化とペース配分メニューでさっきからコートの周りを何周もしている赤也は、焦りからなのかタイムがブレブレである。

まぁ、元から赤也はペース配分が下手だったからなぁ。ダブルスとかになると、ペアの人が制御してくれるから大丈夫なんだけど。

シングルだとすぐにペース配分考えないで突っ走るからね。まぁ、テンション上がっちゃうはわかるし、仕方ないけど。


そしてそろそろ今追加の何本目をやってるのかわからなくなって来た頃、やっと合格ラインの誤差3秒以内をキープした。



「2.1秒速い…けど合格ラインだから終わり。赤也、頑張ったね」

「ハァッ…ハァッ…ウィッス…」

「じゃあ、ちょっと休憩貰って来てあげるから赤也は休んでな」



そして幸村くんと柳くんに今までのタイムを記録したノートを渡して、次のメニューを受け取ってから、ドリンクと冷タオルを持って赤也の元に戻った。

うげっ…次のメニューもまたキツそうだなぁ。

まぁ、それだけ赤也に期待してるんだろうけど。て言うか、仁王はわかるけど…赤也だけメニュー違うのもなんかアレだよなぁ。

柳くんが言うには、焦らせるつもりはないけど緊張感を持たせる為にも一人だけ違うメニューにしてるらしいけど…

そして日陰で体育座りしてる赤也の頭に冷タオルを乗っけて、隣に座る。



「ほれ、冷タオルとドリンク」

「…あ、サンキューッス」

「どうかした?体調悪いの?」

「い、いや、まだ全然大丈夫ッスけど!なんか…俺、強くなってんのかなって」

「ホントに赤也は、バカだなー」

「な、なんでッスか!」

「んなの、強くなってんに決まってんじゃん。だから焦んなくていい、みんな赤也が努力してんのは知ってるから」



でもあんまり強くなり過ぎるとあたしが勝てなくなるなぁ〜と冗談を交えつつ、赤也の頭を撫でてやる。

柳くん、お宅の息子は単純でバカで落ち込みやすいですがデータ通りに頑張ってますよ!


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