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…どうやら、俺はまた寝てたらしく璃亜が心配そうな顔をして俺を起こした。
頭が痛いのを気にしてるのか、揺すったりしない様にして起こしてくれたみたいじゃ。
「ご飯食べて薬飲んだらまた寝ていいから…起きられる?」
「ん…大丈夫ナリ」
「…ん〜、熱上がってるなぁ。自分で食べられる?」
「…ん、大丈夫じゃ。のぅ?お前さんに風邪移ると困るし、もう帰って大丈夫じゃ」
「は?んな心配いいから早く食べろ。それにあたし、その辺は強いから大丈夫だし」
確かに、病気を除けば基本的に元気だしのぅ。なんかよく頭が働かんし、よくわからんが…まぁ、食べよう。
璃亜が作ってくれたと思われる卵粥をちびちびと口に運んでいると、璃亜が器を奪いレンゲを口元に持って来る。
…?食べさせてくれるって事かの?早く口を開けろと言わんばかりの顔をする璃亜に渋々、口を開ける。
「んな、ちびちび食べてたら日が暮れる。ほら、飲み物も飲む」
「んっ…」
「はい、薬飲んで寝る。あ、その前に冷えピタ貼るから動かないで」
「璃亜…怒っとるんか?」
「…まぁ、少しね。でも説教は体調良くなってからするから、ほら寝っ…うわ」
「…じゃあ後でまとめて怒られるナリ」
俺のオデコに冷えピタを貼り、背を向けた璃亜を後ろから抱き寄せる。
…さっきは帰って大丈夫なんて言ったが、本当は帰って欲しくなか…それどころか側にいて欲しいナリ。
それをわかってくれたのか、いつもなら離せと怒り始める璃亜がゆっくりと溜め息を吐きながら俺の腕に触れた。
「あんたの親が来るまで帰らないから心配しなくていいよ。夕方には、来るみたいだし」
「……………」
「まぁ、今は寝なさい。なにかあれば言ってくれればいいし…ほら離せ」
「…んっ…なら手貸してくれんか?」
「…はいはい。ほら、また熱上がってるから寝ろ」
いつもなら嫌だと拒否するはずなのに仕方ないな…と言わんばかりに俺の手を握る璃亜に不思議と安心した。
―――
――――
―――――
そして次に目を覚ました時にいたのは璃亜じゃなく、姉貴だった。
どうやら、母さんより早く仕事が終わったらしくわざわざ来てくれたらしい。
じゃが、家事が壊滅的な姉貴が来るとは…逆に治るもんも治らなそうナリ。
しかし、璃亜が夕飯まで作ってくれていたらしく俺は璃亜が作って置いてくれた卵粥を食べ、姉貴は安定のコンビニ弁当だった。
(てか、あの子あんたの彼女?)
(アレは、マネージャーじゃ)
(まぁ、あんたに似合わずまともな子だったしね)
(…話したんか?)
(そりゃあね。しっかりしたいい子じゃん)
(…なんか言ってたかの?)
(大丈夫だとか言って無理すると思うんで…よろしくお願いしますって頭下げられたけど?)
(…で、姉貴はなんて答えたんじゃ)
(気合いで治してやるから大丈夫だよ!って)
(…璃亜を呼んでいいかの?)
(おねぇ様になにか不満があるとでも?)
(不満と不安しかないんじゃが…)
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