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勝手にすれば?とでも言って、放って置けばいいのにこやつと来たら…
「…あんただけ仲間外れみたいで嫌なんだけど。てか、仁王はなにがそんなに嫌なの?」
「別になんも嫌じゃなか」
「じゃあなんでパーティーに参加しないの?」
「理由知りたいんか?」
「教えてくれんの?」
早く言えよと言わんばかりに俺を睨み付ける様に見上げる璃亜に少しイラッとした。
グイッと璃亜の腕を引っ張って壁に追いやり、壁と挟むようにして璃亜を見下す。
素直にお前さんが他の奴等と仲良くしとるんが気に食わんとでも言えばええんか?
いや、そんな事を言ったらこやつはきっと悲しむ。それにこやつに悪気があってやっとる訳じゃないからの。
まぁ、それが余計に俺をイライラさせるんじゃがな。
「な、なに?あたしにムカついてんの?」
「さぁの。それに璃亜ちゃんは、みんなにモテモテじゃけん。俺なんかに構わんでもいいんじゃなか?」
「…は?なにそれ。もういい…あんたなんて知らない。勝手にしたら」
「あぁ、勝手にするナリ」
「…あっそ。じゃっ…わっ!」
スルリと俺と壁の間から抜けて食堂の扉に向かう璃亜の腕を掴み、そのまま引き寄せて抱き締める。
なんでそんな悲しそうな顔するじゃ…ちょっとからかっただけじゃろうが。
そんな顔されるくらいなら、いつもみたいに怒ってくれた方がマシナリ。
そして俺の腕の中で珍しく大人しくしている璃亜の頭を撫でる。
「…悪かったぜよ。ちょっといじけてただけナリ」
「…意味わかんない」
「お前さん人気過ぎなんじゃよ」
「しゅ、主役だもん」
「でもお前さん、1回も俺の方を見とらんじゃろ?」
「…そ、それは…そうだけど」
違うとか否定しない辺り、やっぱり憎めんヤツじゃなぁ。
まぁ、立海より他校を優先しとるんはなんとなくわかっとったが…全く気に掛けて貰えんのは辛いぜよ。
それに何度も言うが、無防備に好き勝手されとる璃亜を見んのも嫌じゃったからの。
「のぅ…日吉と財前とは、なにを話しとったんじゃ?」
「え?別に大した事じゃないけど…」
「言えん様な内容か?」
「いや、本当に大した事じゃないし。わかちゃんは、なんか様子が変だったから大丈夫?みたいな感じで、ひーちゃんは怪我は大丈夫なん?って聞かれただけ」
あぁ…なるほどの。
本当に内容だけ聞くと大した事じゃないナリ。
まぁ、璃亜の事じゃき嘘は付いとらんじゃろう。
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