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そしてあたしのよっしゃ楽しむぞー!と言う、なんとも可愛くない掛け声でパーティーが始まったのであった。

仮にもドレスを着ているのになんて可愛くないヤツなんだ。



「璃亜ちゃん、可愛いC〜!ねぇ、一緒に食べよっ!」

「ちょい待ち。璃亜は、俺と食べるんだぜぃ。な?」

「アカンで。璃亜ちゃんは、俺と食べるんや」

「ふふふ、なに勝手に決めてるの?最初に璃亜の手を取ったのは俺なんだけど」

「そんなの関係ないと思うんだけど。璃亜さんは、俺と食べるんで」



そしてこのカオスである。
ごめん、あたしの取り合いとか不毛な事しないで欲しいんですが。

なんかみんな笑顔なのにクソこえーんだけど。なにこれ、なんかの嫌がらせ?

早苗に助けを求めるが柳くんとイチャついとる。チキショー!あのバカップルめ!


しかし、これではまともにパーティーを楽しめなさそうなので、とりあえず逃げようかな。

とか思ってたら不意にあたしの体が浮いた。



「ほなこつ、きれいか〜!璃亜、花嫁さん見たいばい」

「わっ…!ち、千歳くんっ!」

「ホンマ…馬子にも衣装っちゅー感じッスわ。てか、はよ離して下さいよ」

「そぎゃんこつ、言われても離したくないばい」

「うわぁっ!た、高い高いっ!千歳くん、怖いっ!!」

「ほなこつ、璃亜はむぞらしかぁ」



余りの高さに思わず、そのまま千歳くんに抱き付く形になってしまった。

いや、マジ怖いから。
自分で跳び跳ねるのと訳が違うからね。普通に怖いんですよ。

しかし、そんなあたしを更に抱き締める千歳くんにさすがに困り果てる。と言うか、さっき騒いでた集団が凄い形相でこっち見てる。

こ、怖すぎる!



「ちょ、璃亜センパーイ!千歳さん、璃亜先輩を返して下さいよ!」

「ん〜、今日はがしめしたか」

「ごめん、なんて言ってるかわからない!」

「独り占めは困りますね。さぁ、楠木くんを離して下さい」

「き、木手くん!」



そして救世主の木手くんが現れる。いや、赤也とひーちゃんだと身長的に…ね?

しかし千歳くんは、ん〜と唸りながらも離すつもりはないのかあたしを抱っこしたままである。

そんな千歳くんに痺れを切らせたのか、木手くんがスタスタとこちらに向かって来たかと思ったら千歳くんからあたしを奪う様にして下ろしてくれた。



「無理矢理はよくないばい」

「その言葉、そっくりそのままお返ししますよ」

「璃亜センパーイ!!めっちゃ、可愛いッス!てか、ほっそ!知ってたけどほっそ!」

「だ、抱き付くなっ!ちょ、ひーちゃんは無言で腕を引っ張らないで!!」

「切原、離れろや。俺は、璃亜さんに用があんねん」

「…は?財前こそ手離せよ」



なんなの?なんでみんなこんなあたしを取り合うとか不毛な争いをしたがるんだ。

てか、あたしはさっきからキャッキャッウフフしてる女の子達の元に行きたい!

でもさっきから天龍寺さんと朋ちゃんと杏ちゃんが頑張って!みたいな顔してるのが大変悲しいです!

お願いです!助けて下さい!


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