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「おい、感謝のパーティーだって言ってんのに泣いてんじゃねぇよ。アーン?」


跡部くんの言葉にハッと我に返り、自分の瞳からハラハラと涙が溢れている事に気付いた。



「ふふっ、今日は璃亜の泣き顔をよく見るね」

「…だ、だって…あ、あたしっ…なにもっ…してっ…」

「なに言うてんねん。璃亜ちゃんには、みんなホンマに感謝しとるんやで」

「…合宿して…よかったって…おもっ…てくれてたっ…んだっ…」

「ったく、泣き過ぎだバカ。お前がいなかったらこの合宿はどうなってたかわかんねぇ。本当にお前には感謝してる」



ステージから降りて来た跡部くんがグズグズと泣いているあたしの頭を撫でる。

うぅっ…だって、みんなには謝られてばっかだし…本当はあたしのせいで合宿しなきゃよかったって思ってる人ばっかだと思ってたから。

こんな感謝されるなんて思わなかったんだもん。

そして周りから泣くなよ〜とか泣かないで〜と聞き慣れた声が聞こえて更に泣きたくなる。



「もう…なんで泣いてんのよ。みんながあんたの為にって色々準備してくれたのに」

「う、うわぁぁっ…早苗ーーっ…!」

「マジ泣きじゃねぇか…」

「…汚いわね。せっかく可愛くメイクまでしてもらったのに…。あんたは、いつもみたいになにも考えずバカみたいに笑ってればいいのよ」

「ひ、ひどっ…ぃ!」



しかし、早苗は相変わらず酷いのであった。でも本当によく頑張ったわ…と頭を撫でてくれる早苗にまた涙が溢れる。

ううっ…!ふぅぅっ!
今日は、涙腺がゆるゆるで困るぜ!

しかし、そろそろ泣き止まないとせっかくみんなが開いてくれたパーティーが台無しになってしまう!



「ねぇちゃん、そんな泣かんでやぁ。ワイ、ねぇちゃんの笑ってる顔が好きやねん!!」

「き、金ちゃんっ…!!」

「ねぇちゃんは、笑っとる方が可愛いで!せやから、笑ってや!」

「あたしも金ちゃんの笑ってる顔大好きっ!ありがとっ!」

「き、金ちゃんがっ…く、口説いとる…やとっ!?」



あぁ、もうっ…金ちゃんは本当に太陽みたいな子だなぁ。キシシッ!と嬉しそうに笑う金ちゃんの頭を撫でてからグッと涙を拭う。

オーケー!オーケー!
嬉し泣きは、十分した!

ちょっとドレスとは、やり過ぎな気がするけど素直にみんなの気持ちは嬉しいからね。

楽しむ!合宿最後の夜!
あたし、楽しむぞー!


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