レッツ!パーティー! (1/4)
どうしてこうなった!
今日は、合宿最終日だからと他の5人が長風呂に付き合ってくれたのだが…
お風呂を上がって脱衣場に待っていたのは、跡部くん家の使いの人達であれよあれよと服を着替えさせられ、髪やメイクまでセットされた。
そして連れてこられたのは、食堂の扉の前である。
いや、もう突っ込みが追い付かない!てか、他の5人はどこに行ったんだし!
え?なにこれ?てか、あたしの格好とかなんか色々とヤバイんだけど。
そしてあたしが質問をする前にでは、開けますねと言わんばかりにメイドさんがゆっくりと扉を開けた。
………………?
え、真っ暗なんだけど。
キョロキョロと周りを見渡していると急にライトが点いて、余りの眩しさに目を凝らす。
「「「さぁ、お手をどうぞ」」」
「えっ…ちょ、は?」
そして目の前には、あたしに手を差し出す跡部くんと幸村くんと白石くんの姿があった。
しかし、状況が飲み込むないあたしは呆然としたまま3人を見つめる。
てか、あれ?なんかみんなドレスコードって言うの?正装と言うか、なんかスーツ的な格好してるし。
いや、あたしも大概な格好だけど…
そしてなかなか手を取らないあたしに痺れを切らせたのか、幸村くんがあたしの手を取るとニコリと笑った。
「跡部、俺と白石が璃亜をエスコートするから説明してあげてよ」
「チッ…仕方ねぇな」
「ほな、璃亜ちゃん行くで。ゆっくりでええから気ぃ付けて歩いてな」
「えっ…う、うん」
「ふふふ、なにがなんだかって顔してるね。それにしても…そのドレス、璃亜にとっても似合ってるよ」
「ちょ、幸村くん抜け駆けはアカンで。璃亜ちゃん、めっちゃ綺麗やで」
「…え、あっ…ありがと?」
ほらおいで…とあたしの手を引く2人とシーンと静まり返る周りの反応にマジで戸惑う。
え?マジでなんなの?
てか、なんでみんな正装(?)してるんだ。あたしも含めて、遠くでニコニコと笑っている女子5人もドレスだし。
そんな事を考えているとパチーンと跡部くんが指を鳴らしたらしくステージを見ると相変わらずのポーズを決めている跡部くんと手塚くんがいた。
「この合同合宿、色々あったが…こうして無事に最終日を迎える事が出来た」
「多大なパプニングが起こる中、危険を省みず…我々の為に身を呈して頑張ってくれた」
「今日は、楠木璃亜。お前への感謝のパーティーだ。お前は、お礼なんか要らねぇとか言うと思って、こういう形にした。その方が喜ぶと思ってな」
「この合同合宿に参加して本当によかったと思っている。2週間という長い間、マネージャーの6人は本当にありがとう。我々、テニス部一同を代表して言わせて貰う」
そう言い終わると手塚くんがゆっくりと頭を下げる。
周りからはパチパチと拍手が聞こえてくるが、ちょっとそれどころじゃなかったりする。
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