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あぁ、もう…本当に!



「よくやったーーー!!」

「うわっ…ちょ、璃亜さん危ないですよ!!」

「うわ、テンション高っ。てか、なにちょっと泣いてんの?ウケる」

「よく勝った!あたし、もう感動した!!ヤバい!」



そして観客席から飛び降りて、ちょたくんへダイブ!だってさ!勝ったんだよ!?ヤバくね?わかちゃん的に言うなら下剋上成功だよ!

て言うか、ヘロヘロなのに羽生は相変わらずだな、おい。

ハァ、疲れたぁ…なんて言いながら汗を拭う羽生の頭を撫でる。



「…ちょっとなに?ウザいんだけど〜」

「よく頑張ったね。ちゃんとちょたくんのフォローも出来てたじゃん」

「…フンッ」

「俺も羽生のお陰で凄いやり易かったよ」

「…別に。お前だってサーブちゃんと入れてたし」



まぁ、羽生もちょたくんも元からダブルス向きだったしね。それもかなり、いい感じに噛み合ってたし。

あぁ、なんか凄い親の気分!
こんなに強くなりやがって…!カッコイイじゃねぇか!

そして何故か喧嘩してる木手くんと仁は、とりあえず放置でいいとして。



「赤也ー!あたし、ベンチで見ていい?」

「は、はいっ!?」

「やっぱり一番近くで見たいなーって。羽生とちょたくんは、残念だけどさ」

「…あぁ!もうっ…そんな事言われたらダメとか言えないじゃないッスか!あぁっ!幸村部長の視線が痛いっ…!!」

「いや、なんで幸村くん?」

「実は、幸村さんが試合開始前に璃亜さんをベンチに置きたいって言ってたんですけど、切原がそれはフェアじゃないって言ったんですよ」



ちょ、クッソワロタ。
なんか知らんところで、あたし2年生ベンチに連行され掛けてたのかよ。

いや、でもこれは赤也が悪い訳じゃないし。ひえー…めっちゃこっち見てる!やべぇよやべぇよと軽く出川ってる赤也の頭をポンポンと撫でる。

そして向かい側のベンチに座りながら、ダークスマイルなうの幸村くんに叫ぶ。



「この下級生組は、わしが育てた!掛かってこーい!!!」

「ちょ、いきなりなに言ってんの!?この人っ!?」

「まぁ…強ち間違ってないけど…璃亜さんには…練習付き合って貰ったし…」

「…アホや。なんで璃亜さんが喧嘩売ってんねん」

「別にいいんじゃない?だって初めから璃亜さんのお陰で強くなったって証明する為の試合でしょ?これ」

「せやせやー!掛かってきぃやー!」



そしてあたしの言葉に幸村くんは少しだけ驚いた顔をしたが、すぐにわかった、掛かって来なよ。と言わんばかりに笑った。


でもちょっと後が怖い。





(やっぱり、赤也に言われたって言うかな)
(ちょっ!なんでッスか!)
(あの幸村くんの笑顔が怖い)
(あぁ…あれは、マジギレの顔やで)
(嘘やん!笑顔やん!幸村くん、笑顔やん!?)
(怖いって言ったの璃亜さんですけどね)
(でもあっち、かなりやる気出しちゃったみたいっスよ)
(璃亜さんが挑発するからッスよ!)
(いや、お前も試合前に挑発してただろ!)
(ホンマ、璃亜さんいるとうっさいわぁ…)
(ひーちゃん聞こえてるからな!)

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