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ん〜っ…ん?んんん?
なんだか周りが騒がしくてゆっくりと目を開ける。
「あ、起きましたよ!」
「やっーと、起きたぜよ」
「璃亜さん、おはよーございます!」
「あ、あれ?杏ちゃんに朋ちゃん?」
「メールの集合場所に来ないから電話したんですよ。そしたら仁王さんが電話に出て、ここに来てくれって」
「お前さんが全然起きんから困ってたんじゃよ」
んん〜?つまり?あたしが爆睡して仁王が困ってたところにあたしの携帯が鳴り、仁王が杏ちゃんと朋ちゃんを呼んだって事?
てか、あれ?あたしなにに抱き付いてんだ?
………………。
「…うおぅっ!?」
「これ、痛いじゃろ」
「に、仁王の腕!?」
「お前さんがずっとくっ付いとったんじゃろ」
「し、知らん!アレだ!枕と勘違いしたんだ!」
「はいはい、そうじゃな」
クッソ!なんか凄いバカにされてる気がする!しかもそんな仁王に杏ちゃんと朋ちゃんは、ホントに仲良いですね!なんて笑い掛けてる。
アレ?なんかあたしがおかしいみたいになってね?なにそれ、ひどぅい。
とりあえず、立ち上がってお尻を払いつつ杏ちゃんと朋ちゃんに向き直る。
「呼び出したのに呼びに来て貰っちゃってごめんね!早苗は?」
「早苗さんは、桜乃と天龍寺さんと一緒にもう準備してますよ!」
「マ、マジか!すぐ行かなきゃ!仁王、悪いけどあたし行くわ!」
「…ホントに悪いと思っとるんか」
「ちょっとだけ!まぁ、とりあえず行くわ!じゃあ杏ちゃんと朋ちゃん、行こっか!」
「はいっ!」
不満そうな顔をしている仁王にちょっと悪い気がしたが、後でジュースでも奢るから許してくれ!
そして仁王をそこに置いて走り出した。
*****
寝起きとは思えんくらい、元気に走って行く璃亜に呆れつつゆっくりと立ち上がる。
「あ、仁王さん!早苗さんに聞いたんですけど、あんまり璃亜さんを独り占めしないで下さいね?」
「なんの話じゃ?」
「璃亜さんは私達との約束で試合観戦に戻らなかったって事になってますよね?それってみんなに璃亜さんを探されたくなかったからじゃないんですか?」
「…………」
「あっ…、別に責めてる訳じゃないですよ?ただ、私も応援してる子がいるんで…」
「杏ちゃーーん!?」
「はーい!今、行きます!それと、気を引くのも大事ですけどたまには優しくしなきゃダメですよ!」
では、失礼します!と頭を下げて走り去って行く橘の妹に頭を抱える。
…ホントに男女問わず厄介なヤツばっかに好かれおって。
(遅れてすいません!)
(いや、大丈夫だけど…も、もしかして仁王になんかされた!?)
(い、いや!全然!)
(ホントに!?大丈夫!?)
(だ、大丈夫ですよ!)
(そう言えば、朋ちゃんも大丈夫だった!?)
(え?なにもされてないですよ?)
(ハァッ…ならよかった)
(……(仁王さん信用されてないなぁ…))
(って、早く行かなきゃ!早苗が怖い!)
(桜乃がドジしてなきゃいいけど…)
(早苗がいるから大丈夫さ!)
(天龍寺さんもいますしね)
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