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暫くして、璃亜から規則正しい寝息が聞こえて来て寝たのがわかった。

相変わらず、寝るん早いのぅ。

それにしても…試合見とったんか。チラッとなんて言うとったが、攻撃的なテニスしてたっぽいなんてチラッと見ただけで判断出来るもんなんか。

いや、でも確かにさっさと終わらせようと攻撃的になっとった気もする。

しかも機嫌悪かったどころか体調悪かったのかとか心配しとるし。俺からしたらそれ以上にお前さんがどうしたんじゃって話なんじゃがな。

…全く、幸村になにをされたんじゃろうな。まぁ、赤也の可能性もあるが…高確率で幸村じゃろうしな。


それにしても、正直ここまで振り回される予定はなかったんじゃがなぁ。いつからじゃろうな、こやつと話すんが楽しいと思う様になったんわ。

スヤスヤと俺の腕の中で寝ている璃亜の頭を軽く撫でる。

じゃが、そう思っとるんは俺だけじゃなかったぜよ。幸村との会話を思い出しながら、他校の連中と楽しそうに笑っとる璃亜が思い浮かぶ。


本当に厄介なヤツじゃな。
バカみたいに素直で、裏表のない今時珍しい女じゃき。

それに自分を犠牲にしてまで誰かを助け様とする優しさと度胸もある。

まぁ、そのお蔭でこっちとしては気が気じゃないんじゃがの。

微かに見える包帯が痛々しい。全然大丈夫なんて言っとったが、傷痕が残らんといいんじゃが。


それにしても、なんじゃろうなぁ〜…

ギュッと璃亜を抱き締めながらフと思う。

正直、こやつが誰かと話しとるんは別に構わんが…誰かに触れられとるんは余りいい気はせん。

じゃが、こやつは無防備で警戒心がない。最初こそ抵抗するが、まぁいいやの一言で結局は済ませる。

芥川や赤也がいい例じゃな。

まぁ、俺の場合は結構強引にやっとるが…本気で嫌がられたのはタイツを脱がした時くらいかの。


ハァッ…なんじゃろうな。
今までの女と違い過ぎて、なんだかんだで振り回されるんも悪くないとか思い始めとる俺は、もうダメかもしれんな。



「んっ…ん〜……」

「…ホントに困ったヤツじゃな」



モゾモゾと腕の中で動いたかと思うと俺の腕に頬を寄せる様に抱き付いた。

寝とる時は、ホントに大人しくて可愛いんじゃがな。

そんな事を思いながら、幸せそうに寝とる璃亜の頭を撫でた。


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