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そして殴ったのは事実なので仁王の言うことを聞いて、大人しくしてるんだけど…



「…いつまでこのままな訳?」

「そうじゃなぁ、第3試合が終わるまでかの」

「なげぇよ!」

「それにしても璃亜は、本当に小さいのぅ」

「話を聞けっ!!」



簡単に今の状況を説明すると座ってるあたしの後ろに仁王がいて、後ろから腰に腕を回されてる感じ。

そしてあたしは、暇なのでまたしゃぼん玉をやってる的な。

いや、まぁ…正直、仁王の訳わからない行動には慣れてるけどさ。

まぁ、たまに肩に顔乗っけたりしてくる程度で他に特になにもして来ないから別にいいけど。



「しゃぼん玉、飽きたんだけど!」

「なら俺がやるけん」

「いや、そうじゃねぇし!」

「ほれ、こっちナリ」

「しかも自分でやらねぇのかよ!」



あたしの腕を掴んでそのまましゃぼん玉をやり始める仁王に、もう突っ込む気にもなれない。

でも心なしか、楽しそうな仁王に少しだけ安心する。機嫌が悪い訳でも、具合が悪い訳でもなさそうだし。

でもそろそろ離れて欲しい。さすがに夏だし、いくら日陰で風あるっていっても暑いからね。

しかもちょっと眠くなって来たからね。やる事ないし、少し暑いけど風が気持ちいいし。



「ん〜〜………」

「ん、なんじゃ?」

「…やる事なさ過ぎて眠くなって来たし」

「別に寝てもいいぜよ」

「えぇ〜このまま?なんか不安だから起きてる」

「失礼なヤツじゃな。なんもせんよ」



ん〜、でも仁王だし、今更な気がするから寝るかなぁ。

とりあえず、ゆっくりとあたしの腕を掴んでいる仁王の手を剥がして、しゃぼん玉の液に蓋をして適当にその辺に転がしとく。

そして腰に回している仁王の腕を剥がそうとするが、どうやら離す気がないらしい。



「これ、やめんしゃい」

「寝るから離せし」

「ほれ、寄り掛かってええから寝んしゃい」

「本気で離す気ゼロかよ」

「ゼロじゃよ」



でしょうね!!
てか、そんなに力入れられると寝れないんでやめてくんねぇかな!もう気にせず、寝るから!

わかったら力を緩めろと言う意味で仁王の腕を叩きつつ、ゆっくりと後ろに寄り掛かるとあたしの頭に顔を乗せる仁王にちょっとイラッとする。

…まぁ、いいや。



「じゃあ第3試合が終わったら起こしてよ」

「ん〜わかったナリ」

「え、もしかして眠いの?」

「別に眠くないぜよ?」

「あぁ…そう。まぁ、寝るわ」



なんか間が抜けた声で返事するから仁王も眠いのかと思ったけど…別にいいや。

そしてあたしは、ゆっくりと目を閉じた。


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