しゃぼん玉タイム (1/4)
あ〜う〜。
なんかもう、あたしはずっとしゃぼん玉やってればいいんじゃないかなぁ。
とりあえず、落ち着いた。
幸村くんにからかわれるのには慣れてたけど、あれはダメです。マジで心臓が死ぬ。
そして隣で寝っ転がってる仁王に視線を移すとまだやるんか?と言わんばかりに予備のしゃぼん玉の液を差し出して来た。
今更だけどなんでしゃぼん玉なんか持ってんだ。
「もういい」
「ん、落ち着いたんか?」
「…まぁ、うん。てか、なんで仁王は、こんなところにいんの?」
「特に意味はなか。試合を見る見ないんは自由じゃったからの」
いや、まぁ…うん。
別に試合を見なくちゃいけない訳じゃないし。それは知ってるけどさ。
まぁ、いいや。
そう言えば、あたし…結構な勢いでお腹殴ったよね?だ、大丈夫なのかな?
未だに寝っ転がったままの仁王のお腹に手を置いて軽く撫でると、仁王が凄い勢いで起き上がりあたしの腕を掴んだ。
「え、あっ…ごめん。あたし殴ったよね。お腹…大丈夫?」
「…お前さんは、力ないからの。大した事なか」
「いや、結構な勢いで殴ったと思うけど…」
「なんじゃ、気にしとるんか?」
「そ、そりゃあ…気にするでしょ」
いや、さすがにやり過ぎたし。それに第2試合で仁王の様子もなんか変だったし。
それこそ体調が悪かったのかと…試合見ないでこんなところにいるし。
あぁ、なんか幸村くんにからかわれたせいで調子狂う。てか、ちょっと疲れた的なね。
「てか、仁王は体調悪いの?」
「なんでじゃ?」
「いや、なんかいつもより攻撃的なテニスしてたっぽいし。早く試合を終わらせようとしてたのかなって」
「…見とったんか?」
「いや、跡部くんと白石くんがうるさかったからチラッとしか見てないけど」
何故か、驚いた様な顔をする仁王に頭を傾げる。
そしてそのまま額に手を当てるとクツクツと笑い出して、ちょっと気持ち悪い。
なんだ、どうした…こいつ。
そんな事を思ってるとゆっくりと仁王があたしの頭に手を置く。
「お前さんは、ホントによく見とるの」
「いや、チラッとしか見てないって。てか、手退けろ」
「うっ…璃亜に殴られた腹が痛むナリ」
「だ、だから、それは悪かったってば!てか、さっき大丈夫って言ってたじゃねぇか!」
「璃亜が言うこと聞いてくれたら…腹の痛みもなくなると思うんじゃがなぁ…」
こ、こいつぅっ!!!
お腹を擦りながらどうする?と言わんばかりに頭を傾げる仁王にぶん殴りたくなるが…既に殴っちゃった訳で…。
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