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幸村のお陰で結構あっさりと事は、収まりすぐに保健室に向かった。ちなみに、みんなも付いて来とる。

さすがに自分等のファンクラブがいないとわかってても関わりはある訳じゃしの。

そして保健室に入るとニヤニヤとだらしない顔をして楠木に話し掛けている赤也が真っ先に目に入り、ブンちゃんが凄い勢いで赤也を吹き飛ばした。



「うわっー!?」

「璃亜、大丈夫かよぃ?」

「お、おう。大したことないけど…てか、切原くんの方を心配しろや」

「柳くんっ…どうなったの?」

「うむ、心配はない」



羽川は、参謀に一直線か。
ほぅ…参謀も満更でもないところを見ると…なるほどのぅ。

ブンちゃんが楠木の頬に触れながら大丈夫か?大丈夫か?とやかましく聞いているが楠木は、ウザい!っと一括しとるし。

まぁ、大丈夫そうじゃな。



「楠木さん、悪かったね。もう少し早く来ていたら痛い思いをさせずに済んだんだけど」

「あ、いや、別に大丈夫。むしろ、なんかまた助けられたみたいでありがとう」

「俺等は、何もしてないよ。それで、楠木さんに相談なんだけど」

「相談?」

「あぁ、テニス部のマネージャーにならないかい?」



さっき俺等も幸村から話を聞いて驚いたが、まぁそれが一番手っ取り早いとは思ったぜよ。

毎回、楠木が呼び出されるのを防ぐのは容易ではない。だからと言って赤也やブンちゃんが楠木と関わるのをやめる事が出来る訳でもない。

俺の場合は、うまく隠すけどあの二人がそんな器用な事が出来るわけないじゃろうしな。

しかし話を聞いてなかった赤也と話を持ち掛けられた楠木は、目を見開いて驚いている様だった。



「はいっ?あたしがマネージャー?」

「あぁ、それが君を守るのには一番だと思ってね。それに君は、俺等に好意はないんだろ?こっちとしてもマネージャーが欲しかったところでね」

「幸村部長っ!?で、でもそれ逆に危ないんじゃないんスか!?」

「さすがにマネージャーに手を出させる程、俺はバカじゃないよ。それとも赤也は、俺が信用できないのかい?」



赤也が顔を青しながら頭をぶんぶんと振る中、楠木は悩んでいるのか神妙な顔をしたまま黙っている。

そしてゆっくりと顔を上げると満面の笑みを浮かべていた。



「やらない」



楠木は、そう一言だけ言った。





(え!なんでッスか!?)
(マネージャーやれよぃ!)
(いや、守って貰う理由ないし)
(そ、それはそうッスけど…)
(幸村の申し出を断るとは!)
(ククッ…さすがじゃのぅ)
(笑い事じゃありませんよ。仁王くん)
(楠木は一筋縄でないかん様だな)

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