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あ、あれ?
もしかして、ジローちゃん…ほっぺにちゅーした?
「うわーっ!?ちょ、ちょっと!芥川さんなにやってんスか!?」
「ジ、ジ、ジ、ジローちゃんんんんっ!?な、なにをっ!?」
「え〜?ダメだったの〜?」
「ダ、ダメだよ!?え、ちょ、待って…あれ?このジローちゃん仁王じゃないよね!?」
「…テンパり過ぎじゃ。ちゅーか、変装ならおまんは気付くじゃろ」
ニコニコと笑いながら璃亜ちゃ〜んとか言いながら抱き付いてくるジローちゃんにちょっと怖くなる。
え?あれ?ジローちゃんってこんな事する子だったっけ!?
とりあえず、よくわからなくなって来てわたわたとしていると大きな溜め息と共にジローちゃんが剥がされた。
「…だから貴女は、バカなんですよ。芥川さん、今めちゃくちゃ怒ってますよ」
「別に怒ってないCー」
「あぁ…なるほど。確かに、いくらジローでもそりゃあ怒るわ」
「え!?なになに!なんなの!?あたし、ジローちゃんになんかした!?」
「まぁ…理由は、自分で考えて下さいよ。ほら、芥川さんも忍足さんも跡部部長が呼んでるんで行きますよ」
そして颯爽と去って行く3人。でもジローちゃんがさっきとうって代わり悲しそうな顔をしてて、訳がわからなくなった。
そんなあたしに仁王が溜め息を吐きながら、頭をぽんぽんと撫でた。
え?あれ?あたし…マジでジローちゃんになんかしちゃった?どうしよう…心当たりないけど、謝らなくちゃだよね?
「また御門違いな事を考えとるみたいじゃな。別に璃亜がなにかしたって訳じゃなかよ」
「は?でもジローちゃん怒ってるってわかちゃんが言ってたし」
「じゃから、璃亜に怒っとる訳じゃなか。日吉も璃亜のせいとは言っとらんじゃろ」
「てか、璃亜先輩って本当に学習能力ないッスね!バカなんですか!」
「あぁ!?赤也に学習能力とか言われたくねぇ!」
とりあえず、今は仁王の言葉を信じよう。だって…本当に心当たりないんだもん。
でもジローちゃんが怒るってどんなだ。てか、ジローちゃんって怒ると怖いのな。わかちゃんに怒ってないって言った時、ジローちゃんの声なんか低かったし。
そして相変わらず、ギャーギャーと喧しい赤也の頭を引っ叩いて黙らせた。
もう静かにご飯食べようぜ。
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