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うーん、どのくらい寝てたのかゆっくりと目を覚ますとベッドの傍らに突っ伏しているひじき頭が目に入った。

とりあえず、なんで赤也がここにいるのかは置いといて…残りの点滴の量を見る限り、あたしは、30分くらい寝てたっぽい。


それにしてもなんか体が楽になった気がする。別にダルかったとかはないけど、やっぱり疲れてたんかなぁ。

そしてゆっくりとあたしが体を起こすと突っ伏して寝てたっぽい赤也が顔をあげた。



「ん〜…璃亜せんぱい?起きたんスか?」

「うん、まぁ。てか、赤也も寝てただろ」

「璃亜先輩が大丈夫だって聞いたら安心しちゃって」

「それでなんで赤也がいる訳?」

「いや、俺も説明聞いてたんスけど…難しくて。後で簡単に説明するから璃亜先輩に付いてろって柳先輩に言われたッス」



まぁ、赤也には難しいだろうな。と言うか、あたしも少し理解出来るか不安だし。

とりあえず、まだみんなは先生の説明聞いてる感じなのか。じゃあ、当分は帰って来ないな。

少しだけど寝たお陰で体は大分、楽になったし。そんな事を思いながらゆっくりと伸びをしていると不意に赤也があたしの腕を掴んだ。



「俺、今回の事で璃亜先輩がホントにバカなんだって痛感したッス」

「おい、こら」

「本当に心配したんスよ?」

「だからそれは、悪かったっ…うわぁ!」

「許さないッス」



急に掴まれていた腕を引かれて、そのまま赤也の胸に飛び込む形になる。

そしてそのまま赤也に抱き締められて、ちょっとびっくりする。いつもは、勢い任せに飛び付く感じなのに大事な物を扱う様に優しく抱き締められてる。

しかもなんかいつもの赤也っぽくなくて、離せと言うに言えない。



「俺、先輩達と違ってバカだしアホだし…頼りないかもしんないッスけど…」

「…………」

「俺、璃亜先輩の事が守りたいッス」

「あたし、赤也がバカでアホなのは知ってるけど、頼りないとは思った事ないよ」

「…で、でも頼ってくんなきゃ意味ないじゃないッスか!」



てか、頼りない奴はそんな事言わないっつーの。

それにしても、まさか赤也にこんな事を言われるとは思わなかった。しかも、ちょっと嬉しかったし。



「それに俺だって男なんスよ?」

「いや、それは関係なくね?」

「璃亜先輩ってホントに警戒心ないッスよね!ムカつくくらい!」

「ムカつくなよ!」

「あんまり無防備にしてると襲うッスよ!?」

「どんな脅しだよ!?」



そして何故かよくわからない脅しをしてくる赤也の頭を引っ叩くと泣きそうな顔をして、体を離したかと思うとまた抱き付いて来て、もはや意味がわからなかった。


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