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そして跡部くんに話を通して医者を呼んでもらいました。いや、なんかもう…この手間を考えたら帰った方がよかったんじゃなかろうか。
ちなみに前にも検査をしてくれた先生で相変わらず、ふわふわした優しい雰囲気で診察して貰いました。
それで、肩の傷を見るなりまたやんちゃしたの?と困った顔をされてちょっと気まずかった。
そう言えば、この先生には前にも怪我をした腹部を診てもらったし、なんかあたしがしょっちゅうやんちゃしてると思われてそうだ。
「うん。顔色も悪くないし、特に問題はなさそうだね。まぁ、検査の結果はすぐには出ないから完全に大丈夫な訳じゃないけど…なんか体の不調とかはない?」
「うーん、特にはないです」
「えと、合宿2日目に環境の変化及び知らない人達との接触による精神的疲労により体調不良。そのまま3日目に全力で試合をして倒れて…」
「…あの先生、なんでそんな詳しく知ってるんですか。てか、倒れて以降はちょっと体調悪いかも〜くらいで倒れたりする程じゃなかったです」
「跡部くんと幸村くんと羽川さんから聞いたよ。とりあえず、3人の話を聞く限りだと問題は無さそうかな。だから、合宿に残ってもいいけど検査の結果次第ではすぐに病院に来てもらう事になるからね」
「はい、わかりました」
まぁ、結果的にとりあえずは合宿に残って大丈夫らしい。それにしても、まだ早苗はわかるけど跡部くんと幸村くんはあたしの保護者にでもなったんだろうか。
いや、凄いお世話になってるし…迷惑掛けてるから強ち間違ってないけど。
「あ、でも少し点滴しようか。元から食は細いみたいだけど、貧血もあるみたいだし」
「点滴ですか?」
「うん。1時間くらいだから寝てればすぐ終わるからね」
「はーい」
そして先生に言われた通りに点滴をして貰い、ベッドに横になった。
うーん、やっぱりなんだかんだで色々あったせいでこうやって横になると眠くなるなぁ。
先生が寝ていいって言ってたし、寝ちゃおうかな。どっちにしろ今日は、練習はないらしいし。
「終わった頃にまた来るからゆっくり休んでてね」
「了解です」
「軽く跡部くん達に説明しとくけど構わないよね?」
「はい、大丈夫です」
「うん。じゃあ説明しとくね」
そう言うと部屋を出て行く先生に頭を下げてから、ゆっくりと目を瞑った。
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