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あぁ、もう…最悪だ。

あんなの全然余裕で全然元気だって事を伝えたかったのに、なにやってんだあたし。

また心配掛けてんじゃん。



「…だから璃亜は、バカなんだよい。なに、一人で全部抱え込んでんだよい」

「…本当だぜ。楠木は、なんでもかんでも抱え込み過ぎだ」

「楠木さんがそんなに思い詰めていたとは…気付かず申し訳ない…」

「ハァッ…やっと素直になったと思ったが、やっぱりお前さんは人を頼るって事をしなさ過ぎじゃ」



今までずっと黙っていた仁王が溜め息を吐きながら、あたしの左腕からヘアゴムを取るとオデコに向かって放った。

………い、いてぇ!!

予想以上の痛みに涙が引っ込み、ジンジンと痛むオデコを押さえていると頭に重みを感じ頭を上げると幸村くんが呆れた様に笑っていた。



「…本当に璃亜には、手を焼かされるな」

「ごめん」

「ふふっ、いいよ。璃亜の素直な気持ちが聞けたと思えば、嬉しいし」

「…ホントッスよ。璃亜先輩って自分の事とか全然話してくんないし…言ってくんなきゃわかんねぇッスよ」

「だからそういうのが苦手って言うか…別に言わなくいいかなって思っちゃうの!」

「…まぁ、これは私のせいでもあるわね。私がなんとなく璃亜の気持ちをわかっちゃうから…今まで口出して言う必要がなかったというか」



だから、あんまり責めないでやって?と笑う早苗になんかまた泣きそうになる。

多分、早苗はなんだかんだあたしが逃げない事をわかってたから、作戦の話を聞いてる時もあたしに強く言って来なかったんだと思う。

早苗は口煩いし、魔王属性だけど…あたしになにかを強制させた事はない。最後に決めるのはあんたでしょって、私が言っても利かないんだから後悔しない様に自分の好きにしろって言ってた。


…ホント早苗って狡い。
大好きだ、この野郎!
…ありがとう。



「…早苗のばーか」

「バカはあんたでしょ。泣きながら笑ってんじゃないわよ…気持ち悪い」

「気持ち悪いとか酷い、泣いた」

「既に泣いてるじゃない」

「お、おう…せやな」

「ほら、ちゃんとみんなには口に出して言いなさい」



でもその急に心を読むのやめて!

ニコリと笑う早苗に頭を傾げている他のメンバーにちょっと焦る。

てか、また涙引っ込んだし!


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