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そして無事(?)にあたしの部屋に着いた訳なんだけど…

空気が重い!むしろ、怖い!



「ふふ、まずは言い訳を聞いてあげるよ。俺達は、逃げる事を第一にって言ったのになんで逃げなかったの?」

「え、いや…天龍寺さんが逃げるのにあたしが引き付けなきゃだったし」

「天龍寺が逃げた後に逃げる事は出来ただろうが!何故、逃げなかった!」

「えっ…そ、それは…えーと、なんと言うか…」

「どうせ、あたしなら大丈夫だとか思ってたんだろい。ホント、バカじゃねぇの」



…え、アッハイ。

やべぇ、ブン太がマジギレしてるっぽい。今まで見た事ない様な顔してあたしを見てるんですけど。

いや、だって動きは素人だったし。真田くんとわかちゃんのお陰で受け流しと回避には自信あったし…大丈夫だって思うでしょ。

実際、怪我したのは最初の天龍寺さんを庇った時だけじゃないか!



「…確かに、逃げなかったのは謝るよ!でも好き勝手、言われててムカついたんだもん。みんな事、バカにしてるみたいだったし」

「正直、璃亜の言葉は嬉しかったよ。でも、だからって自ら危険な目に遭いに行く必要はなかっただろ?」

「だって…だって!ずっと言いたかった事だったんだもん!ずっと我慢してたし、本当ならぶん殴りたかった!」

「…璃亜、落ち着きなさい」

「でもあたしも悪いから。最初からあたしが面倒臭がらずに桜乃ちゃんと朋ちゃんの話を聞いた時に青学の人達とキチンと話してれば、氷帝の時みたいに大事にならずに済んだかも知れなかった!」



氷帝の時は、わかちゃんやがっくん…ジローちゃんがいたからどうしてもどうにかしてあげたかった。それに元の氷帝を知ってたから余計だ。

でも青学の場合、全然知らなかったし。面倒臭いからって積極的に関わろうとしなかった。

そのせいで、四天宝寺や六角…山吹にまで被害が出た。

それで、ひーちゃんと白石くんが言い合いして、金ちゃんが泣いて…謙也も辛そうで…



「璃亜が自分を責める意味がわからないよ。璃亜は、青学を知らなかったし。責めるなら青学の様子が変なのに気付いていたのに、なにもしなかった俺達を責めなよ」

「そ、そうですよ!私達だって璃亜さんに頼りっぱなしで…何もしなかったし」

「氷帝の時も俺達がもう少し警戒をしていれば、楠木が崖から突き落とされる事はなかっただろう」

「先輩は、悪くないッスよ。だから、泣かないで下さいよ…璃亜先輩」



あぁ、もうなんで泣いちゃうかなぁ…あたしのバカ野郎。

あたしがどうにかしなきゃって…それしか考えてなくて。あたしみたいに早苗や桜乃ちゃん達がなにかされたらって考えたら、すっごく怖かった。

だから、あたしが月城さんを止めなきゃって思ったら逃げるなんて選択肢はなくなってたんだよ。

…仕方ないじゃん。


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