×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -

(5/5)


その衝撃に目を瞑ってしまい、ゆっくりと目を開けるとそこには、額に汗を滲ませている幸村くんがいた。



「…え、ちょ…はっ?」

「璃亜先輩っ!!」
「璃亜っ!!」

「は、離しなさいよっ!!」

「動くんじゃないさー!」
「平古場くん、ロープを」
「任せれー」



状況が理解出来ず、周りを見渡せば裕次郎と木手くんに組み付かれている月城さんにロープを持っている凛。

泣きそうな顔をした天龍寺さんと赤也とジローちゃん。

なにか言いたそうな、ブン太とわかちゃんとひーちゃんに怒ってるのかいつもより険しい顔付きの仁王。



「…は?なんでみんながいるの?」

「お前が天龍寺に逃げろって言った瞬間、部屋を飛び出して来たに決まってるだろい!」

「…無茶はしないって話だったじゃないッスか!なにやってんスか…本当に心臓に悪いッスよ…」

「ご、ごめんなさい…私のせいで…うぅっ…」

「大丈夫だって…ちょっと掠っただけだから」



そして遂には、泣き出す天龍寺さん。とりあえず、もう大丈夫…なのかな?

…あ、ヤバい。
安心したせいか、血を流し過ぎたせいか、わからないけど…頭がクラクラしてきた。



そしてあたしを支えている幸村くんに寄り掛かる様にして、あたしはゆっくりと目を瞑った。


―――
―――――


どのくらい寝てたんだろう。
あたしがゆっくりと目を覚ますと目の前には、早苗を含めたマネージャーのみんながいた。



「璃亜っ!」
「璃亜ちゃんっ!」
「璃亜さんっ!」

「お、おぉっ!?」



そして早苗以外、全員が泣き出すというなんともカオスな状況になった。

えと、とりあえず…女子しかいないみたいだけど、他のみんなはどうしたんだ?

むしろ、月城さんはどうなったんだろう。



「ねぇ、早苗…結局どうなったの?作戦は上手くいったの?」

「…結果的に作戦は、上手くいったわよ。無事に青学の人達のトリップ効果はなくなって正常になったから…でも」

「でも?」

「…月城さんが消えたのよ」

「は?」

「私達が屋上に向かっている最中だったから見てはいないんだけど…、トリップ効果の代償だと言って消えたらしいわ」



んー、んんんー?
えと、つまり?青学の人達にトリップの事がバレたから代償でこの世界から消えたと?

でもそれだとおかしくない?天龍寺さんは、ただトリップ効果がなくなっただけだったじゃん。

月城さんは、なんで消えたんだ?



「あ、あのね…トリップするのには誓約があって…それで効果が高ければ高い程、代償も大きくなっていくから…多分それで…」



あぁ、トリップして来たって言う天龍寺さんが言うんだからそうなんだろう。

とりあえず、状況がよくわからないや。まだ左肩は痛むし、頭もボーッとするけど、跡部くん達は話し合いをしてるらしいのでそこに向かう事にした。

ちなみに未だに泣いている桜乃ちゃん、朋ちゃん、杏ちゃんに心配掛けてごめんねと頭を撫でたら余計泣かれた…解せぬ。






(てか、みんなにトリップの話したんだ)
(えぇ、誤魔化し様がなかったから)
(いや、よく信じたなぁ〜って)
(…月城さんが消えたのを見ていたって言うのが大きかったんじゃないかしら)
(へぇ、あたしも見たかったな)
(あんた…本当、1発殴らせなさい)
(やめて!あたし怪我人!暴力反対!)
(本当に緊張感ないんだから…)
(だって、月城さんが消えたのはちょっと予想外だけど、無事にみんな正常になったんでしょ?ならもう安心じゃん)
(璃亜さんは、もう少し自分を大事にして下さい!)
(本当ですよ…!)
(…もう無理しないで下さい)
(…お、おう。ごめんて)

prev|next

[戻る]