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そして屋上で待つ事、数分。
機嫌がよさそうな月城さんが屋上へやって来た。
うわぁ〜マジで柳くんの言った通り過ぎて笑えねぇ。やっぱり柳くんって怖いわ。
「まさかあんた達から呼び出してくれるとは思わなかった。でも呼び出す手間が省けたわ」
「あっそ。それであたしは、あんたに話があるんだけど」
「はぁ?私は、あんた達に話す事なんてないわよ?」
「ねぇ、逆ハートリップとやらは楽しい?人の気持ち無視して弄んで楽しい?」
「はぁ?楽しいに決まってるじゃない。あんたバカじゃないの?」
さも当たり前の様にそう言いながら笑う月城さんに思わずぶん殴りたくなったが、今は我慢だ。
とりあえず、月城さんがトリップとやらをしてここに来たのは確定した。
「青学を中心に随分と好き勝手してるけど、最終的に全員虜にでもするつもり?」
「当たり前じゃない。私は、この世界のお姫様なの。だから、みんな私を好きなるのよ!」
「ふーん?でも立海のメンバーに苦戦してるみたいだけど?」
「ふんっ、そんなの時間の問題よ!後は、三強だけですもの。最初に青学から攻めてって正解だったわ」
そして聞いてもいないのにベラベラと上機嫌で話す月城さんに虫酸が走る。
青学は、踏み台で本命の四天宝寺と立海に近付く為だけの存在だと笑った。
最初の青学とは違い、他の学校はトリップ効果は薄いが近くにいればいる程、その効果は発揮されて完全にトリップ効果に掛かれば問題ないらしい。
「私の言う事をなんでも信じちゃっておかしいったらないわ。階段から落ちたフリをした時もあんな必死になっちゃって」
「……………」
「剃刀で自分の腕を切った時もそうよ。全部、あんた達にやられたって言えばみんな信じちゃうんですもの!楽しくて仕方なかったわ」
「……………」
「数人は、まだあんたの肩を持ってるけど…それも今日で終わり。だって…あんた達は、ここで死ぬから」
ヤバいと思った時には、月城さんがナイフの様な物を持って天龍寺さんに向かって来てた。
"想定外の事も起こる可能性もある"
その時、柳くんの言葉が頭を過った。
そして目を見開いて恐怖からか動けなくなっている天龍寺さんに飛び付いた。
「………っ!」
「…あっ、あぁ…璃亜ちゃんっ!」
「…大丈夫。天龍寺さんは、後ろにいて…それで逃げられるなら逃げて」
「ハハハッ、逃がす訳ないじゃない!どっちが先に死んでもいいのよ!あんた達に襲われて揉み合ってる内に1人は正当防衛で仕方なく刺しちゃって、もう1人は発狂してここから飛び降りたって言うから」
…ナイフで切られた肩が熱い。結構、ザックリとやられたみたいで左肩を押さえている指から血が流れてくるのがわかる。
チラリと天龍寺さんを見れば、怪我はしてないみたいで安心した。
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