最後の会話 (1/5)
朝、目を覚ましたらなんでかベッドにいた。確か、気を紛らわす為にミサンガを作ってたはず…なのになんでだ?
そして不意に左の手首になにかがある事に気付く。
…あー、そういう事ね。
てか、間違いメールだって言ったのになんで来たんだし。
見覚えのあるヘアゴムに少しだけ安心しつつ、早苗の部屋に向かい、幸村くん達と合流して朝食へ向かった。
そして朝食会場で今日は、練習試合大会をする事を知った。てか、跡部くんが高笑いしながら説明してた。
なんて言うか…朝から元気だな。
まぁ、それで幸村くん達から昨日の話を聞いたんだけど〜。なんて言うか、相変わらず柳くんのデータって怖い。
いや、想定外の事も起こる可能性もあるとは言ってたけど…まぁ、大丈夫でしょ。柳くんのデータなら。
とりあえず、午前中はトーナメントのクジやらでマネージャー以外は集まるらしい。まぁ、それは嘘でマネージャーと部員を別けるのが目的らしいけどね。
ちなみにその間、動くのはあたしと天龍寺さんの2人だけ。早苗は、万が一の為に桜乃ちゃん達と部屋で待機だ。
「何度も言うけど…無茶はしない事。わかったね?」
「大丈夫大丈夫。敵意がある相手に油断する程、バカじゃないよ」
「い、いや…そういう問題ではない!楠木になにかあってからでは遅いのだ!」
「うむ、弦一郎の言う通りだ。危険だと判断した場合、逃げる事だけを考える様にしてくれ」
「本当は、私が一緒に行きたかったんだけどね…」
まぁ、そこは柳くんのデータなしでもわかるしね。月城さんが邪魔だと思ってる順位はあたし、次に天龍寺さんっぽいからね。
すまなそうにうつ向く早苗の頭をぐしゃぐしゃと撫でながら、ゆっくりと立ち上がる。
うん、作戦は理解した。
話を聞いた限りだとあの不二って人も大丈夫そうだし、この作戦はあたしと天龍寺さんに掛かってる訳だ。
まぁ、あの月城さんの感じだと上手くいくとは思うけどね。
「とりあえず、あたしは一足先に部屋に戻るよ。なんか変更があれば連絡して〜」
「あぁ、わかった。気を付けるんだよ」
「ん、了解」
「…天龍寺さんにもちゃんと連絡しときなさいよ?」
「おん、わかってるよー!じゃあまた後で」
なるべくあたしは、一人で行動してた方がいいからね。
とりあえず、天龍寺さんには迎えに行くまで部屋で待ってる様に伝えとくかな。
下手に月城さんに絡まれたりしたら面倒だし。
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